【板前レシピ】サバ/味噌煮の作り方

味噌の香りを引き立たせ、身はふわっと柔らかなサバの味噌煮の作り方

どもども板前ちっぴぃです。

サバの味噌煮?甘い味噌汁みたいなやつ?

サバの味噌味?全く味噌の香りしないし身はパサパサであまり好きではないなぁ。

ちょっと待った!

身がパサパサになってしまう理由はその他にも色々とありますが炊く時間!

ゆるゆるの味噌煮が悪いという訳ではありませんが煮汁を大量に使いコトコト味噌で煮る。

結果ゆるゆるの煮汁で煮すぎることで香りが飛んでしまい味噌の香りが全くしない...

う~ん。味噌煮というより味噌煮込み?

好みや考え方は様々で私の考えが正しいとは思いませんが、

これでは理想のサバの味噌煮とは言えないと思いませんか?

やはり鯖の味噌煮というからには味噌の香りを引き立たせる。

鯖の味噌煮というからには身はふわっとふっくら身にはサバの旨味をしっかりと残し、みずみずしい仕上がりにする。

煮汁の味噌はとろっとさせ味噌に身を絡めるように身と一緒に味わう。

これが理想的な鯖の味噌だと私は思うのです。

そこで今回。

煮汁のとろみを簡単に調整でき味付けの失敗を防げる。

短時間で身はふわっとふっくら。

身に旨味をしっかりと残しみずみずしい。

そんな素敵な鯖の味噌煮を短時間で仕上げる方法/やり方を解説していこうと思います!

サバ味噌煮の作り方/骨つき/骨抜きなし/炊き方/煮方

※サバの下処理/下ごしらえ/様々なおろし方/さばき方などはこちらをご覧ください。

鯖の捌き方/様々なおろし方

itamae-recipe.com

1 おろしたサバを好みの大きさに切り皮に切り込みを入れる。全体(裏、表)に薄く塩を振り10分~20分程度おく。

※1の工程に関しては次の工程でも臭みを取るので鮮度が良く臭いが気にならない場合は省いても構いません。

青魚(サバ、サンマ、イワシなど)は鮮度が良いと臭いあまり感じないのですが、鮮度が落ちると臭いがきつくなる。

鮮度が悪い場合や臭いが気になる、出来るだけ抜きたい場合など二段階で臭みを取るこちらのやり方をお試しください。

コツ!ポイント!

※塩を振り少しおくと身の表面に水分が出てくる。

塩を使うのは味をつけるためではなく、臭みを抜くため。

多く塩を振りかけず薄く全体に塩を振りかけること。
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※二枚おろし骨つきと骨なしのサバ
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2 鍋で湯を用意し1の工程を済ませたサバ又は1の工程を省いたサバをサッと湯通しする。湯通しし表面の色が白っぽくなったサバを氷水に落とす。

コツ!ポイント!

※沸騰した湯を使い湯通しすると皮が弾けて破れてしまうことがある。少し温度を下げ湯通しすること。

※骨つきの切り身はそのまま湯通ししても問題なく綺麗な仕上がりで湯通し出来る。

※骨を取った切り身を湯通しすると身が反り返り見栄えの悪い仕上がりになってしまう。

反り返りを抑えるやり方として切り身の大きさに合わせ爪楊枝を数本刺し身を固定する。
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※画像で分かるように湯通しすると数秒で表面が白っぽく変わる。
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※血合やウロコ、アクなどがついていたらしっかりと取り除く。
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※爪楊枝で身を固定して湯通しした骨なしのサバ。

画像は爪楊枝が刺さった状態ですが湯通ししたことで爪楊枝を抜いてもこの状態で固まっています。
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※骨なし尾側の湯通した切り身。尾側を見て分かるように固定せず湯通しすると切り身が反り返ってしまいます。

固定せず湯通しすると頭側の切り身(特に腹の薄い身の部分)は更に反り返りめくれたような仕上がりになってしまう。
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3 まず砂糖、ミリンを入れしっかりと砂糖を溶かして味噌を入れる。しっかりと混ぜまだ味噌が硬いようならミリンを追加し伸ばし甘味が足りないようなら砂糖を足し調整する。

このときに好みの硬さ味に合わせておく(味を決める)。

※今回解説するサバの味噌煮や煮付けに関しては、鍋の大きさやサバの大きさ、味の好み料理する環境など異なるため何g何mlなど書いたところで個人的にあまり意味を感じない。

変に割などで合わせてしまうと余計に用意してしまい無駄にしたり足りないときまた計り直して追加するなど良いことがない。

最も大切なの部分は行程や感覚的な部分。

かえって、割(煮汁割合)などがあるとそれが答えと応用が効かなくなり予定と異なる状況になると対応出来なくなってしまう。

火にかけた状態で味を決める訳ではなく合わせる余裕があるので好みの硬さ味で合わせることをオススメ致します。

コツ!ポイント!

※味噌を伸ばすときに味を決めておくと味つけの失敗や味つけに時間をかけて余計にサバに火を通すことを防げる。

※このとき入れるミリンは砂糖を溶かす役割もある。

ミリンを利用して砂糖を溶かしてから、仕上がりのとろっとした味噌の硬さをイメージしてしっかりと味噌を伸ばしていく。

ここで好みの硬さに味噌を伸ばしておくと理想の仕上がりに合わせ易い。

もちろん、ミリンで味噌を伸ばすことでコクや照りが足される。
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※好みの味、とろっとした好みの硬さに味噌を伸ばした状態。
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4 鍋に酒ひたひた程度、砂糖(甘いかなと思う程度)、生姜スライス2~3枚入れ強火にかける。

コツ!ポイント!

※理想は水を使わず酒のみですが、水を合わせても良い。

ですが酒を多めに使うことをオススメ致します。

酒を使う理由として臭み取りや旨味が増す。

柔らかくふっくらと仕上がるなど様々な理由があります。

※砂糖を先に入れる理由は身をふっくらと柔らかく仕上げる意味もある。

ふっくらと柔らかい仕上がりにしたいときミリンには身を引き締める効果があるので先に入れてしまうと硬くなってしまう。

ふっくら仕上げたい場合は砂糖で甘味を入れ仕上がる前に照り出しやコク、旨味を足すイメージで使う。

逆に煮崩れを防ぎたい場合などは先にミリンを入れるなど目的によって使い分ける。
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5 強火にかけたままアクが浮いてきたらしっかりとオタマなどで取り除く。
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6 強火にかけたまま沸いたらクッキングペーパーやアルミホイルなどを落とし蓋としてかぶせる。

沸いて落とし蓋をして強火のまま5分程度炊いてサバに火を通す。

コツ!ポイント!

※落とし蓋を使うことで対流し地に浸かっていない部分にもしっかりと火が通る。

イメージとしては煮汁で炊くというより泡で炊く感じ。
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※沸いてから5分程度強火で炊いていくと煮汁がだいぶ詰まり画像のような状態になる。

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7 強火のまま用意していた味噌を入れる。

コツ!ポイント!

※イメージとしては事前に味と硬さを決めている状態で味噌を入れるので鍋に残っていた煮汁を詰める感じで仕上げる。
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8 強火のまま落とし蓋をして5分程(味噌を入れてから煮るトータルの時間)度炊く。
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※煮汁が詰まりとろみがついてくると画像のように泡が立ってくる。

そのままにしておくと鍋底に味噌が焦げつくので軽く鍋を振りながら炊いていく。f:id:chippy55:20210318212223j:image

※味噌が底に焦げつかないように途中、軽く鍋を振りながら3分程度煮たら落とし蓋を取りサバに味噌をかけながら炊いていく。
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※理想の仕上がりになったら火を止める。
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9 器に盛り付け完成。
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どうでしょうか?

今まで板前をして感じたことは流し物や大量に作る場合など一部料理は除き、割りや計量などは目安程度でたいした意味をもたない。

最も大切なのは下処理や下ごしらえはもちろん。

工程や感覚的な部分。

当ブログで皆様に伝えたいのは自分が大切と考える部分です。

これらの感覚を覚えてしまえば様々な料理に応用することが出来ると思います。

煮付けなど短時間で理想の仕上がりに炊くには多少の慣れが必要なのは間違いありません。

ですが、今回のサバの味噌煮は予め準備しておくことが出来るため比較的、簡単に理想の仕上がりのサバの味噌煮をお楽しみ頂けるかと思います。

とはいえ何事も多少の慣れは必要です。

旨い!鯖の味噌煮を皆様にも味わって頂きたい!

この機会に是非お試しください♪

自分が板前を始めたばかりの頃、煮魚で色々と悩んだことがをあります。

せっかくなのでこの機会に記事に書いておこうと思います。

これが正しいという訳ではありませんので気になる方がいましたら参考程度にご覧ください。

水から煮るか?お湯から煮るか?(煮汁)について

様々な考え方がありよくある理由としては、

白身や水分量の少なく身が硬い、身崩れ起こしにくい魚を煮るときは水(煮汁が冷たい状態)から煮る。

青魚は水分量が多く身が崩れ易すく煮崩れを起こし易いので予め煮汁を温めておき早く身の表面を固め身崩れを起こしずらい状態にするため。

水から煮る(煮汁の冷たい状態)理由として、温めてから煮ると皮が弾け(皮が破れる)仕上がりの見栄えが悪くなるので水から煮て皮が弾けるのを防ぐため。

お湯(煮汁を温めた状態)から煮る理由として、水(煮汁が冷たい状態)から煮ると表面が固まるまでに時間がかかってしまうため、それだけ旨味が身から煮汁に逃げてしまう。

人それぞれ考えがあり何を正解とするかは試して自分が良いと思うやり方で良いと思われる。

個人的な考え

これぞ職人の技!手間暇かけて長時間コトコト時間をかけて仕上げたからこその仕上がり!圧力鍋を使って煮ることで骨まで食べれる。など耳にするが個人的には、でそれが何?と考えている。

同じ料理でも様々なやり方や味、好みがあり否定している訳ではない。それが悪いとか良いの問題ではなく、何を目的としているかの違いと考える。

わざわざ骨と身を一緒に煮て味気ないパサパサの身の骨を食べられる仕上がりにする必要もなく、骨が食べたいなら骨を別に煮れば良いのではと思う。

骨が苦手だから骨まで食べられるように仕上げたいと思うのなら骨を予め取れば問題ない。

いやいや骨を取ったら出汁が出なくなると言うなら身から取った骨を一緒に炊けばよい。

様々な料理があり一概には言えないが(もちろん骨まで食べられることを目的とした料理を作ることもある)

個人的な考えとして基本的に魚を煮て料理をするからには旨味溢れるふわっとしたほぐれるような身を味わって頂きたく短時間で仕上げ、煮汁と絡めるように一緒に食べて頂くような仕上がりを理想とする。

煮汁を温めてからや冷たい状態からなど色々と耳にするが、基本的に魚を炊く前にアクや臭みを取り除くため湯通し又は霜降りする。その際に表面が固まっているので冷たい状態から炊く。

冷たい状態で炊いたら旨味が逃げてしまうのでは?と感じる方もいると思うがコトコト弱火で炊くのではなく、最初から強火で仕上げていくので経験上、周囲の反応や自分で食べて全く問題ないと考えている。

※料理には正解がなく旨いと感じる方が一人でもいればそれは正解と考えています。

答えがあるなら皆同じやり方しているはずです。

あくまでも個人的な考えで様々な考え方や作り方を否定している訳ではありません。

予めご了承ください。

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いやぁ。毎度、皆様にも様々なやり方を試し料理を楽しんで頂きたいというおもいから長くなってしまい申し訳ありませんです...

それでは皆様お付き合いありがとうございました!

また宜しくお願い致しますぅ。