これさえ覚えれば様々な貝に応用できる!基本となる塩茹での作り方!貝の旨みを引き立てるワンランク上の塩で味つけする方法など、まとめて徹底解説!
ナガラミやシッタカの塩茹で?
塩水沸かして、ポンと茹でて完成でしょ?
簡単簡単。
あ~。とりあえず鰹出汁に塩入れて、茹でれば間違いないか。
ちょっと待った!!
塩茹でと聞いたら、そんなイメージかもしれませんが、貝は意外とデリケートな食材といいますか。
茹で過ぎれば身が小さく縮み、硬くなってしまう。
何でもかんでも鰹出汁を使ってしまうと、
出汁と出汁が混ざり、何をメインとした料理なのかが分からない、中途半端な訳の分からない仕上がりになってしまうのでございます。
人それぞれ、考えや好みやり方が違うので、
それらのやり方を否定する訳ではありませんが、
個人的な考えとして、貝から出る出汁と鰹出汁はあまり相性が良いと考えていない(貝の量が少なく、旨みを足す程度の場合は除く)。
理由として、鰹出汁は旨みや風味が強く、
鰹出汁で貝を煮てしまうと、鰹出汁が強く、
出汁同士が喧嘩してしまい、何を食べているのだかよく分からない仕上がりになり、せっかくの貝の出汁(味わい)が、台無しなってしまうのでございます。
そこで今回!
ナガラミを使って、身が縮みずらく柔らかく仕上げるコツやポイント。
旨い!塩茹での作り方や、貝の旨みを引き立てる一手間加えた、塩で味つけする煮方(炊き方)を解説していこうと思います。
ナガラミや殻の尻が高い(少し尖った感じ)、
シッタカ(尻高)はもちろん!
バイ貝やサザエ、ツブ貝など、
様々な貝に応用することができるので、この機会に是非お試しください。
※ツブ貝は下処理/下ごしらえが異なり、唾液線を取り除く必要がある。
貝の大きさの違いで茹で時間の違いがある。
つぶ貝の唾液線の取り方などの下処理/下ごしらえについて詳しくは、ツブ貝の塩茹で/煮付けの記事をご覧ください。
- これさえ覚えれば様々な貝に応用できる!基本となる塩茹での作り方!貝の旨みを引き立てるワンランク上の塩で味つけする方法など、まとめて徹底解説!
- ナガラミの塩茹で/盛り付け
- ナガラミの一般的な塩茹で/作り方
ナガラミ/シッタカなど旨みを引き立て身を柔く仕上げる塩茹での作り方/茹で方(煮方)
1 ナガラミを立て塩(海水の塩分濃度に近い3%濃度の塩水)につけ、砂抜きする。
例/立て塩(塩分濃度3%)水1000mlに対して塩30g
コツ!ポイント!
※砂抜き済みのナガラミも,砂が残っている場合があるので、砂抜きをする。
砂抜きをする際、ボールやバットにザルなどを重ね、底を少し浮かせることで、砂が下に落ち、
吐き出した砂を他のナガラミが、吸い込むことを防ぐことができる。
塩水の量は、貝が少し水面から出るくらいにし、
なるべく貝と貝が重ならないように並べる。
砂抜きする際、光が通らないように、
しっかりとアルミホイルかぶせ涼しい場所におく。
または、新聞紙などをかぶせ、暗く涼しい場所におく。
気温が高い夏場などは、冷蔵庫に入れ砂抜きしてもよいが、あまり水温が低いと砂を吐き出しずらい。
砂抜きの時間だが、砂抜き済みもので2~3時間程度、砂抜きをする。
潮干狩りなどで採ってきたものだと、半日ほどしっかりと砂抜きする。
※砂抜きに関して詳しくはこちらをご覧ください。
※吐き出した砂が、このように下に沈む(ザルの下に落ちる)。
2 砂抜きが終わったら、塩水を切る。
流水を使い貝と貝を擦るように、しっかりと汚れを落とす。
汚れをしっかりと洗い流したら、ナガラミをザルに上げ水気を切る。
※ナガラミを洗っている様子。
※ザルに上げ、水気を切っている様子。
3 塩水(1,5%~2%濃度の塩水)ナガラミが浸かるか、浸からないかのひたひた程度の量、
塩水の1割程度量の酒、生姜スライス2~3枚(皮つきでも可)、昆布1片とナガラミを鍋に入れ、火にかける。
※例/塩分濃度1,5~2%量 水1000mlに対して塩15g~20g
コツ!ポイント!
※ナガラミの身には、薄い蓋のようなものがついていて、生の状態では剥がしずらい。
薄い蓋のような部分をつけたまま茹で、食べるときに剥がして食べる(加熱すると簡単に剥がすことができる)。
※煮汁は、冷たい状態から茹でること。
煮汁を沸かしてから、ナガラミを入れて茹でてしまうと、ナガラミが殻の奥に入ってしまい、食べるときに殻から身が取り出しにくくなってしまう。
4 火にかけてアクが浮いてきたら、丁寧にアクをオタマなどで取り除く。
5 煮汁が沸いたら火力を弱め、コトコトと3分~5分煮る。
この間、アクが浮いてきたら丁寧にすくい取る。
コツ!ポイント!
※強火で、グツグツと沸かしながら茹でてしまうと、
身が縮み硬くなってしまう。
火力を落とし、煮汁がコトコトとなるように調整し茹であげる。
※火が通ったか確認する方法として、
爪楊枝を身に差し込み、スッと身を取り出すことができれば、火が通っている。
※初めて食べる場合など、殻から身を上手く取り出せないこともあるが、慣れてしまえば、身と一緒にワタ(肝)まで、ツルンと綺麗に取り出すこができる。
※味を含ませたものが好みなら、ナガラミを煮汁に漬けたまま、自然に冷まして味を含ませる。
あっさりとしたものが好みなら、茹で立てを温かいまま食べるなど、
好みに合わせて、お試しください。
ナガラミの塩茹で/盛り付け
6 ナガラミの塩茹でのみを盛り付けてもよいが、
一緒に茹でた昆布を器に敷き、その上にナガラミの塩茹でを見栄えよく盛り付けてもよい。
ナガラミの塩茹で/身の取り出し方/食べ方
1 ナガラミの塩茹でを持つ。
2 爪楊枝を身に差し込み、ひねるようにして殻から身を取り出す。
取り出した身についた薄い蓋のような部分を外し、
そのまま身とワタ(肝)を食べる。
コツ!ポイント!
※殻から取り出した身とワタ(肝)は、美味しく食べることができる。
しっかりと砂抜きを済ませていないと、
砂を噛みジャリっとした不快な食感がするため、砂抜きはしっかりと済ませること。
ナガラミの一般的な塩茹で/作り方
塩分濃度2%程度の塩水で、上記と同様の方法で茹でる。
どうでしょうか?
砂抜きに多少の時間がかかってしまいますが、
作り方は特に難しいこともなく、短時間で仕上げることができ、比較的簡単に作ることができるかと思います。
ナガラミは、なんと言いますか。
磯の香りや身の食感、味、文句のつけようがないほど旨い!
さらにワタ(肝)も旨く、一つ食べたら止まらなくなること間違いなし!?
この機会に是非、お試しください。
せっかくなので、ナガラミやシッタカの旬や主な産地など書いておこうかと思います。
ナガラミ/シッタカについて
ナガラミとは
ダンベイキサゴの地方名でナガラミと呼ぶ。
ナガラミの殻の形状はシッタカと異なり、殻に高さがあまりなく、平たくカタツムリのような形をしている。
シッタカ(尻高)とは
バテイラの地方名で、殻が三角形で尻が高いことから、尻高(シッタカ)と呼ぶ。
その他にも、ニナ、ツベタカ、コシダカなど、様々な呼び名がある。
ナガラミの旬
冬~春
シッタカの旬
春~夏
ナガラミの主な産地
千葉県(九十九里浜)、静岡県など
シッタカの主な産地
千葉県、静岡県、大分県など
ナガラミ/シッタカについての説明はこれくらいにして
ナガラミの醤油煮の作り方/様々な貝に応用の利く醤油煮の作り方
様々な野菜や魚介の下処理/下ごしらえ/レシピ/食べ方
それでは皆様、お付き合いありがとうございました!
また、宜しくお願いいたしますぅ。