コツを知れば簡単!?下処理/下ごしらえ/さばき方はもちろん!鯛飯や出汁の取り方/食べ方などまとめて徹底解説!!
鯛/真鯛について
鯛/真鯛とは
一般的に鯛と言えば真鯛のこと
数百をこえる鯛と名の付く魚が存在するが鯛に属する魚は極僅か。
あやかり鯛とは
あやかり鯛とは読んで字の如く色や形が似ているなどの理由から、鯛にあやかって名前に鯛とついた魚。
鯛の旬
鯛の旬は二回あると言われ産卵前の春
春先の鯛を【桜鯛】【サクラダイ】という。
産卵を終え痩せた鯛が栄養を蓄え太る秋
秋~晩秋の鯛を【紅葉鯛】【モミジダイ】という。
とはいえ真鯛は通年漁獲があり、産地や温暖化などの影響もありこの時期が旬だとするのは難しい。
養殖も盛んで一年中楽しむことが出来る。
養殖と天然の違い
希望的に養殖の鯛は水深の浅いところで育てるため日焼けして色が黒っぽいと言われる。
逆に天然の鯛は綺麗な赤色をしているとされる。
とはいえ天然の鯛でも黒っぽい色をしている場合があるため目安程度。
捌いたり、食べることが一番違いが分かるが捌かずとも分かり易いのは全体の形や顔、特にヒレ。
天然の鯛は養殖の鯛と違いシャープな顔、形をしている。
特に尾ビレはシュッとした形状をしている。
一方、養殖の鯛の尾ビレは丸みがかっている。
鼻腔(鼻の穴)の違いもある。
天然の鯛は希望的に表裏(左右)に2つずつ穴がある。
養殖の鯛は一つずつの場合が多い。
ただこれに関しては必ずしもそうとは限らないのであくまでも目安程度。
漁獲量からみた主な産地(天然)
長崎県、福岡県、愛媛県
鯛養殖の主な産地
愛媛県、熊本県、三重県
おっと。鯛についての説明はこれくらいにして
ん?
ちっぴぃなぜに今回、鯛の捌き方の解説なんだ?
と思った方がいるとかいないとか。
答えは簡単!船釣りに行った方に鯛を貰ったから!!
今まで散々、鯛を使った出汁の取り方や魚ダレの作り方、土鍋を使った鯛飯の作り方なんかを解説してきたにも関わらず...
肝心の鯛の下処理/下ごしらえ/さばき方の解説をしていないことに気づいたのです。
せっかく解説するからにはご家庭で捌く際、ウロコが飛び散って掃除が面倒...
なんて悩みを解消するちょっとしたやり方。
当ブログで解説するからにはしっかりとしたさばき方はもちろん!
他とはちょっと違った手数を減らして効率良く綺麗に捌き易い捌き方を解説していこうと思います。
鯛を使った様々な解説記事も載せておきますので是非そちらもご覧ください。
鯛/真鯛のさばき方
1 まな板の上でウロコを取っても良いが、鯛のウロコはしっかりしているため勢いよくウロコを取ると飛び散る。
ウロコ取りを利用してウロコを掻く場合、真横に動かしてウロコを掻くと飛び散る。
斜め方向に動かしてウロコを掻くことでウロコが飛び散ることを軽減出来る。
シンクでウロコを取るようにする。
※ウロコを取る専用の道具がなくてもオタマなどで代用出来る。
コツ!ポイント!
※ウロコを掻くとき新聞の上でウロコを掻く。
画像のように魚が入っていた袋を利用して、袋の中でウロコを掻くと掃除が楽になる。
あまりオススメはしないが、氷水の中でウロコを掻くと一切飛び散らずかなりその後の作業の効率が良くなる。
量が多い場合など状況に合わせて好みのやり方をお試しください。
※画像のように袋の中でウロコを掻くと掃除が楽になる。
2 画像のように鯛に包丁を入れエラの付け根と一緒に胴体と顔を繋ぐ細い部分を切り落とす。
※エラの付け根(下)と胴体と顔を繋ぐ細い部分を切り落とした様子。
3 画像のように鯛を立てるように持ち胴体の丸みに沿わせるように包丁を入れ、胴体からエラを外す。
4 エラの付け根(上)を切り外す。
5 カマの方からヘソ(腹側の小さな穴)まで切り腹を開く、又はヘソからカマまで逆さ包丁で切り進め腹を開く。
※腹を開いた様子。
6 腹を開いたらエラをつまみ内臓も一緒に取り除く。
7 エラと内臓を取り終えたら、太い中骨に血合がついているので中骨に沿って血合に包丁で切り目を入れる。
コツ!ポイント!
※血合に切り目を入れることで血合が取りやすくなる。
※中骨に沿って血合に切り目を入れた様子。
8 流水に当てながらササラや竹串を何本か束ねて血合を掻くように掃除する。
コツ!ポイント!
※あまりオススメしないが、金ダワシを使うとはやく血合を掃除出来るがその場合、古い金ダワシを使うと破片が残ってしまうことがあるので注意する。
9 しっかり水気を拭き取り頭を左(上身を上に向ける)に鯛をまな板の上に乗せる。
頭と腹ビレを線で繋ぐように包丁で切る。
コツ!ポイント!
※よく水洗いする前に頭を落とす方が居るが個人的には好まない。
些細な事かも知れないが、理由として頭を落としてから水洗いすると、
切り口に水が当たりその部分が洗いにかけたような状態になってしまうため。
私の場合、基本的に魚をおろすときは頭をつけた状態で水洗いして、しっかりと水気を拭き取ってから頭を落とす。
※イメージとして包丁を立て切るという少し寝かせて切ることで胴体に多く身を残すことが出来る。
10 鯛を裏返し同様に切る。
11 中骨を切り頭とカマを胴体から外す。
コツ!ポイント!
※鯛の骨は硬い。無理に力を入れ骨を切ろうとすると身が潰れてしまう。
関節の軟骨部分を狙って切ると簡単に切ることが出来る。
※胴体から頭とカマ部分を外した様子。
各三枚おろし/おろし方/違い
12 頭側を右、腹側が手前(下身を上に向ける)になるように置き包丁が入りやすくなるように、腹側に軽く切り目を入れる。
コツ!ポイント!
※まず魚の上身(ウワミ)とは腹を手前、頭を左に向けて置いたときの、上側の身。
まな板についている側の身(下側の身)を下身(シタミ)という。
基本的に魚は下身(シタミ)からおろす。
通常の三枚おろしのやり方
※下身腹→下身背(下身をおろし終える)→上身背→上身腹(下身、上身全ておろし終える)の順におろす。
通常の三枚おろしのデメリット
片側ずつおろすと上身をおろすとき下身が無い状態でおろすことになり(身が無い分、下が平らな状態になりおろしずらくなり、骨に身が残ってしまう)おろしずらくなる。
個人的にオススメする三枚おろしのやり方
※下身腹→上身背→下身背(下をおろし終える)→上身腹(下身、上身全ておろし終える)
コツ!ポイント!
この三枚おろしのやり方をすると片面ずつおろす通常の三枚おろしと違い、上身をおろす際、下身が残っているので非常におろしやすく、骨に身が残らず綺麗におろすことが出来る。
手数を減らす三枚おろし
※下身腹から腹骨も切りそのまま下身(片身)をおろす→上身腹に軽く切り目を入れる(入れなくても良いが切り目を入れておいた方がおろし易い)→上身背から腹骨も切りそのまま上身をおろす(全ておろし終える)。
※このおろし方は平目などにも応用出来る。
少量しか使わない、必要な分その都度おろすなど状況によるが個人的には正直効率が悪いと考える。
よく平目は五枚おろしなんて耳にするが全くそんなことはない。
13 ギコギコとノコギリのように切り進めるではなく包丁全体を使い流すようなイメージで、骨に沿わせて手数を少なく太い中骨までしっかりと下身腹側をおろす。
コツ!ポイント!
※画像では確認しずらいが(腹側骨の白っぽくなった部分)天然の鯛は腹側、
中央より尾寄りの部分に骨が変形(潮の流れの強い場所で育ち骨が折れることにより)してコブになっていることがある。
骨にコブがあったらなるべく骨に身が残らないように丁寧にコブに沿わせておろすこと。
14 しっかりと中骨までおろしたら画像のように包丁を立てるようにして、腹骨を切る。
15 腹骨を切ったらそのまま包丁を進め背側も同様に骨に沿わせるようにしておろしていく。
※皮一枚繋がる感じで下身の腹、背をおろした様子。
16 皮一枚と尾の付け根付近しか繋がっていない状態なので画像のように、包丁を入れ右から左に包丁を流すように進める。
17 皮を切り進め尾の付け根付近もそのまま切り下身をおろし終える。
※下身をおろし終えた様子。
18 下身をおろし終えたら上身を上にして置き、腹側に浅く切り目を入れておく。
コツ!ポイント!
※上身は背側からおろしていくので、この工程は省いても良いが、身を外す際、腹側の皮が切りずらいので先に切り目を入れておくことをオススメ致します。
好みに合わせてお試しください。
19 画像のように背側をおろし初める前に背側浅く切り目を入れる。
20 切り目から骨に沿わせるように下身と同様に中骨までしっかりとおろしていく。
21 同様に包丁を立てるようにして腹骨を切る。
22 腹骨を切り終えたらそのまま腹側をおろす。
先に切り目を入れているので、この段階で繋がっているのは尾の付け根部分のみ。
※尾の付け根部分のみ繋がっている上身の様子。
23 尾の付け根部分を外す。この段階で三枚おろしの完成。
※三枚おろしを終えた、上身、下身、骨の様子。
腹骨の外し方/取り方
1 画像では確認しずらいが下身の腹骨を外す場合、逆さ包丁で一度、腹骨上付近に切り目を入れて骨を立たせる。
コツ!ポイント!
※逆さ包丁を入れ骨を立たせることで腹骨が外しやすくなる。
2 切り目から包丁を入れ腹骨に包丁を沿わせるように腹骨を外す。
※下身の腹骨を外した様子。
3 上身の腹骨を外す。
※上身の腹骨を外した様子。
冊取り(さくどり)のやり方
1 おろし終えた身を真っ直ぐ真ん中で切るのではなく、頭側と尾側の身の幅が同じになるように冊取り(刺身などに使いやすくする)する。
※個人的に冊取りする場合、腹側に骨が残るように冊取りする。
背側に骨を残すか腹側に残すかは好みに合わせてお試しください。
コツ!ポイント!
※個人的に大きさや魚にもより一概には言いずらいが刺身を予定している場合、1Kg程度の鯛などの場合真ん中で真っ直ぐ冊取りはしない。
※画像のように頭側と尾側の身の幅が同じような幅になるように合わせて冊取りする。
※焼き物や煮付けなど予定しているときなどは冊取りする前に尾側の身は、用途に合わせた大きさの切り身に切ることはある。
理由として真ん中を真っ直ぐ切り冊取りをしてしまうと、もともと尾側の身は細く薄いためクズのようになってしまう。
2 腹側についた骨を包丁で切り外す。
皮の引き方/剥き方/取り方
1 尾側に皮一枚、残るように切り目を入れる。
2 片方の手で皮をつまみ包丁を浮かせないようにピタリとまな板に沿わせ皮を引いていく。
コツ!ポイント!
※とにかく包丁を浮かせない。
包丁の角度を下に向け過ぎると皮が切れる。
逆に上に向ければ皮に身が残る。
※少し皮をつまみ上げ軽く振るようにしながら皮を引いていくとやりやすい。
※皮を引いている時、不安なようなら画像のように途中確認しながら引いていくとよい。
※皮を引き終えた様子。しっかりと皮を引くと画像のように鯛の綺麗な赤色が残る。
皮引き方/外引き(そとびき)/内引き(うちびき)/違い
解説している皮の引き方は包丁を自分から見て外側に刃を向けて皮を引くことから、外引き(そとびき)という。
逆に引く向きを逆にして内に向かって(自分に向かって)皮を引くことを内引き(うちびき)という。
皮の食べ方
皮は湯びき、焼き、揚げるなどして食べることが出来る。
頭の割り方
1 頭、特に頬(ほほ)の部分やカマの部分などにウロコが残っていることがあるので、包丁を使い細かな部分までしっかりとウロコを取る。
2 画像のように頭を立てるように置き(上側の口の真ん中歯と歯の間付近)真ん中から真っ直ぐ切る。
※真ん中を真っ直ぐ切ると包丁の刃が入りやすく切りやすい。
3 頭を割、開いて繋がった部分を切る。
※頭を二つに割った様子。
4 ヒレの細い部分は焼くと焦げやすい。兜煮などにする場合も仕上がりを考え不要なようなら画像のように切ってもよい。
※二つに割り、ヒレを切り揃えた様子。
内臓の処理/食べ方
画像右は卵巣(真子)を切り外す。
今回は卵巣でしたが白色をしたものなら精巣(白子)
焼き物や煮物などで美味しくお召し上がり頂けます。
真子を煮る際、適度な大きさに切り分けてから煮ることで切り口が開き(花を咲かせる)仕上がりの見た目が華やかになる。
画像上のピンク色っぽい方が胃袋、下の長いオレンジ色をした方が腸。少し見切れてしまったが濃い赤色をした物が肝。
腸は包丁の背を使い撫でるようにして中の液体を絞り出す。
塩を振りかけ塩揉みしてヌメリや臭みを取り除く。
その後、流水を当て丁寧に洗う。
※丁寧に掃除する場合、鱧の腸と同様に箸を差し込み腸を裏返して中をしっかりと洗う。
胃袋は包丁で開き中の液体を腸と同様に取り除く。
腸と同様に塩揉みしてその後、汚れと塩を流水を当て丁寧に洗う。
腸や胃袋など内臓を塩漬けして塩辛(酒盗)にする。茹でて食べるなど鯛はほとんど捨てるところなく食べることが出来る。
おろし方など様々で自分が良い!綺麗におろせるなら何が正解なんてないです。
ただし色々なやり方を知っておいて損はないと個人的に考えています。
この機会に是非お試しください。
もしかしたら自分に合ったやり方に出会えるかも!?
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それでは皆様お付き合いありがとうございました!
また宜しくお願いいたしますぅ。