【板前レシピ】どんこ(エゾアイナメ)/さばき方/おろし方

どんこのさばき方/おろし方について徹底解説!

どんこ(エゾアイナメ)について

どんことは

正式名称/エゾアイナメ

三陸地方などでの呼び名/呼び方

どんこ/主な産地

青森県、岩手県、宮城県

どんこ/旬

11月頃~3月頃/秋~冬

についての説明はこれくらいにして。

くぅ~。毎年、寒くなると食べたくなる【どんこ】!

もうね。【どんこ】と言えば、【どんこ汁】

鍋なんかも最高!

とまぁ、大好きな【どんこ】

たまたま見かけて、あっ!?どんこ!

待ち切れず、一足お先にいただきます!

そこで今回!

まずは【下処理/下ごしらえ】!

ドンコの内臓を抜いて、おろさず、そのまま筒切りにしても、良いと思うのですが、

骨が苦手な方もいるかと思いますので、せっかくなら【骨に身が残りずらく綺麗におろす方法/三枚おろし/おろし方/さばき方】などをまとめて、解説していこうと思います。

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どんこ/さばき方/おろし方

どんこ/下処理/下ごしらえ

1 ドンコの表面を触ると分かるがヌメリが強い。

ヌルヌルとして、ウロコが取りずらいようなら、

流水を当てタワシで擦り、ヌメリを落としてもよい。

包丁をドンコに当て、尾側から頭側に向かって、

なぞるように、ウロコを取り除く。

コツ!ポイント!

※包丁に角度をつけて、ウロコを落とそうとすると、

身に包丁が入ってしまう恐れがある。

包丁を立て(垂直)に当てながら、ウロコを落とすようにする。

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※ウロコを落とし終えたら洗い流し、水気を拭き取る。

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どんこ/エラ/内臓/取り方

2 頭を右、腹を手前に向けて置く。

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3 エラ蓋をめくり、胴体と頭が繋がる細い部分と、一緒にエラの付け根を切り落とす。

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※下側のエラの付け根を切り落とした様子。

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4 胴体の丸みのある部分に、沿わせるように包丁を入れ、繋がった膜のような部分を切り外す。

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5 頭側にある太いエラの付け根を包丁で切る。

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6 尻ビレ付近にある小さな穴(肛門)がある。

肛門に包丁の先を入れ、腹を切り開く【逆さ包丁】。

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※逆さ包丁で腹を開いている様子。

逆さ包丁が難しいようなら、頭側から内臓を傷つけないよう浅く包丁を入れ、腹を開く。

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※腹を開き終えた様子。

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7 エラを持ち尾側に向かって、引っ張るように、

内臓も一緒に取り除く。

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8 胴体と内臓が繋がっている部分を包丁で切り外す。

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どんこ/血合/落とし方/浮き袋/取り方

 

 

9 下画像/内臓を取り終えた様子。

画像でも確認できると思うが、

内臓を取り出すと、中骨に張り付くように、

白い膜のようなものがついている。

この部分が浮き袋。

浮き袋を指でつまみながら、浮き袋を包丁で切り外していく。

浮き袋を取り除くと、中骨に血合がついている。

血合を取り除きやすくするために、

血合に浅く包丁で切り目を入れる。

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※中骨についた血合に切り目を入れた様子。

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10 流水を当て、軽く爪を立てるようにして、

血合をしっかりと落とす(取り除く)。

布巾などを使い、しっかりと水気を拭き取る。

コツ!ポイント!

※竹串を束ねたものや、ササラなどを使う。

どんこの血合は、比較的簡単に取れるので、

無ければ、中骨に沿わせるように、

軽く爪を立て掻くようにして、血合を取り除いていく。
胴体と頭の付け根辺りについた血合いも、

しっかりと取り除く。

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どんこ/頭/カマ/取り方/外し方

11 頭を左、腹を手前に向けて置く。

頭の付け根と、腹ビレ付け根付近を線で繋ぐように、包丁を入れる。

包丁が中骨に当たるまでしっかりと、切り目を入れる。

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※切り目を入れた様子。

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12 裏返し、同様に中骨までしっかりと切り目を入れる。

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13 中骨を切り、頭を外す。

コツ!ポイント!

※中骨を切り落とすとき、無理に切り落とすと身割れの原因になる。

骨と骨の間にある、白っぽく透明な部分(軟骨)に、包丁を入れるように切ると、

簡単に中骨を切り落とすことができる。

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※胴体から頭を切り外した様子。

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どんこ/骨に身が残りずらい/おろしやすい/三枚おろし/おろし方

 

 

14 頭側を右、腹を手前に向けて置く。

腹側肛門付近から、ヒレの付け根付近に合わせ、

骨に沿わせて浅く切り目を入れる。

今回、解説する三枚おろしの手順

下身/腹→上身/背→下身/背(下身をおろし終える)→上身/腹(三枚おろしを終える)

魚/上身/下身とは

頭を左、腹を手前にして置き、上側になる身が【上身】

頭を左、腹を手前にして置き、下側になる身が【下身】

一般的な三枚おろし/手順

魚をおろす際、基本的に下身(頭を左、腹を手前に向けて置き、下側の身)からおろす。

下身/腹→下身/背→下身(片身)をおろす。

上身/背→上身/腹→上身(魚をおろし終える)をおろす。

コツ!ポイント!

※一般的な三枚おろしの手順は、効率よく魚をおろすことが出来る。

ただし、片身ずつおろすことで、下身をおろしてから、上身をおろそうとすると、

下身がない状態になってしまい、高さがなくなり、おろしずらくなる。

骨から身を外さず、身を残したまま、

おろせる状態にすることで、

おろす際に高さを残し、おろすことが出来る。

おろしやすくすることで、骨に身が残りずらくなる。

余計に力を入れず(身割れを防ぐ)、

おろすことが出来る。

結果的に、身割れせず、骨に身を残すことなく、綺麗におろす/捌くことが出来る。

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15 太く硬い骨(中骨)までしっかりと、

包丁を入れ腹側の身をおろす。

太く硬い骨(中骨)までおろしたら、

包丁の刃を少し上に傾け、コブのようになっている太く硬い骨に繋がった部分の身を外す。

コツ!ポイント!

※画像では、確認することが出来るように、

身を持ち上げているが、身割れの原因になるので、身は持ち上げない。

※魚をおろす際、ノコギリを使うように、ギコギコと包丁を動かさないこと。

身割れ、断面が凸凹とした仕上がりになってしまう。

包丁全体を使い流すようなイメージで、

太く硬い骨(中骨)まで一回、または二回程度でおろすようにする。

※コブのようになった、太く硬い骨(中骨)までおろしたら、包丁の刃を少し上に傾け、コブのようになった骨に繋がった身を外す。

イメージとしては、コブのよいなった中骨の頂上と、身が繋がった状態になるようにおろす。

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16 裏返し、背が手前、頭を右にして置く。

背ビレ付け根に合わせて包丁を入れ、骨に沿わせて浅く切り目を入れる。

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17 太く硬い中骨まで、しっかりとおろす。

包丁を傾け太く硬い中骨に沿わせるように、骨についた身を外す。

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18 裏返し、背を手前、頭側を左に向けて置く。

尾の付け根付近から包丁を入れ、背ビレの付け根付近に合わせ、骨に沿わせて浅く切り目を入れる。

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19 同様におろす。

※この時点で、上身の腹はまだおろしていない。

下身の背側と尾側を開き終えた状態。

下身が繋がっているのは、尾の付け根付近、コブのようになっている中骨の頂上、腹骨。

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20 下身の腹と背を開き終えた、尾の付け根付近に、刃先を入れる。

コツ!ポイント!

※尾の付け根と身は外さない。

尾の付け根と身は繋がったままの状態にする。

※尾の付け根と身が繋げておくことで、

腹骨を切る際に身がズレない。

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21 包丁を返し、骨に沿わせ頭側に向かって、切り進める。

そのまま腹骨を切り外す。

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※腹骨を切っている様子。

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※腹骨が切りずらいようなら、軽く包丁立て切るように、すると切りやすくなる。

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22 刃を尾側に向けて入れ、尾の付け根付近と繋がった身を切り外す。

※この時点で、下身をおろし終えた状態。

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※下身をおろし終えた様子。

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23 同様に上身、腹側をおろす。

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24 上身、尾の付け根付近に刃先を入れる。

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25 下身と同様に腹骨を切る。

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26 尾の付け根付近の身を切り外し、

三枚おろしを終える。

コツ!ポイント!

人により様々なおろし方がある。

その他のおろし方として、片身をおろし終えたら、骨を上にしたままの状態で、背側、腹側をおろしていく。

同じ状態で、大名おろしのようにおろすなど。

魚のおろし方に関しては、正解はなく、仕上がりが良ければ、それが正解と個人的には考える。

好みに合わせたやり方をお試しください。

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どんこ/腹骨/外し方

 

 

1 腹骨に身を残さないように、腹骨に沿わせるように、腹骨を切り外す。

コツ!ポイント!

※包丁を入れずらい場合、

一度、腹骨の付け根付近に浅く切り目を入れる。

逆さ包丁などで、切り目を入れることで、腹骨の端を立たせることが出来る。

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※腹の身の端(砂ずり)は、固く身の食感が異なる。

腹骨と一緒に切り落としてもよい。

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※腹骨と腹側の身の固い部分を切り外した様子。

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どんこ/中骨/抜き方/取り方

1 頭側を右に向けて置き、身の真ん中付近にある、骨を確認する。

※頭側から尾まで、骨がある訳ではない。

真ん中辺りまで骨が残っている。

どこに骨があるかは、指でなぞり確認する。

コツ!ポイント!

※身の頭側の切り口(断面)に、骨が残っている場合があるので、しっかりと確認すること。

※焼き物などにする場合、塩をふり臭みの原因となる余分な水気を抜く。

水気を抜くことで、身が締まり身割れしずらくなる。

振り塩をする場合、振り塩を終えてから、

骨を抜いてもよい。

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2 画像のように手を添え、骨抜きで骨をつまみ、

頭側に向かって、引っ張るように骨を抜いていく。

コツ!ポイント!

※手を添えることで、骨を抜く際に、

身にかかる負担を軽減させることができる。

身割れを防ぐことが出来る。

※骨の入っている向きに逆らって、骨を抜くと身が崩れてしまう(身割れする)。

頭側に向かって、骨を引っ張るように抜くこと。

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どんこ/頭(兜)/割り方(梨割り)/カマ/処理

1 頭を立てて置く。

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2 口を開け包丁を差し込む。

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3 滑らないように、布巾または軍手などを使い、

しっかりと頭を抑え、頭を二つに割る。

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※頭は二つに割れたが、口(下側)が繋がった状態。

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4 口(下側)を半分に切る。

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5 カマについたヒレは、加熱すると立つ。

切る、切らないは、好みにもよるが、

この時点で切ってしまう。

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6 好みに合わせて、頭とカマを切り外す。

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どんこ/肝/取り方

エラと内臓を一緒に取り出した状態。

エラ、胃袋、肝、その他、内臓が繋がっている。

肝を傷つけないように、その他内臓などを切り外す。

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※下画像/左下が肝

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※捌き終えた【どんこ一式】

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どうでしょうか?

なんと言いますか。

平目やマナガツオ、鱧(はも)などの一部例外もありますが、

鯵や小さな魚を三枚おろしすることが出来れば、一般的な形をした魚なら、問題なく捌くことが、出来ると思います。

慣れてしまえば、かえって大きな魚の方が捌きやすいくらいです。

とはいえ、ヌメリが強い魚、骨が硬い魚、身の弱い魚など様々。

どんな魚もちょっとしたコツやポイントを覚えてしまえば、なんてことない!!はず!?

少しでも、皆様にそのコツやポイントを伝えられればと、説明が細かくなってしまいますが、

いざ、やってみたら思っていたより、難なく捌けるかと思います。

この機会に是非、お試しください。

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それでは皆様、お付き合いありがとうございました!

また、宜しくお願い致しますぅ。