基本となる丁寧な三枚おろし!手早くおろす大名おろし!目的に合わせて使い分ける二つのおろし方について、まとめて徹底解説!
さばき方/おろし方って難しいの?
三枚おろしのやり方が分からない。
大名おろしのやり方が分からない。
サンマの皮って薄くて、上手く剥けないよ。
なんて方が、居るとか居ないとか。
ちょっと待った!
秋刀魚(サンマ)の捌き方/おろし方が難しいかは、人それぞれ感じ方が異なることから、
なんとも言い難いのですが、
何事もコツやポイントが分かってしまえば、
あれ?あれあれ?
思っていたより、簡単?
と、なるものでございます。
サンマをそのまま塩焼きにする。
間違いなく旨い!
が、しかし。
自分で三枚におろしにすることで、
普段そのまま塩焼きで食べていたサンマを
刺身や炙り、蒲焼き、酢の物などなど、
料理の幅を一気にひろげることができるのでございます。
とはいえ、サンマを捌く。
サンマを三枚におろす。
サンマを三枚におろすと言えば、
多くの方が真っ先に思い浮かべるのは、
おそらく【大名おろし】かと。
ただ、この大名おろし。
呼び名の通りとでも、いいますか。
とにかく、贅沢なおろし方でして。
量が多い場合など、水洗いを済ませ、包丁を骨に沿わせるように、スーっと流して、手早くサンマをおろすことができる。
とにかく、手早くおろすことができる!
しかし、手早くおろす代償とでも言ったらよいのか、骨に多くの身が残ってしまう。
料理に対する個人的な考え方としては、
食材は無駄にしない。
提供する場合など、自分の都合や技術のせいで、
美味しく食べられる部分を少なく/減らして、提供したくない。などなどある。
これらの考え方が正しいかは、状況や環境の違い。
人それぞれ異なるので、一概には言えないのですが、個人的には、これらの考え方は大切にしたい。
はっ!?
大名おろしが、悪いと言って訳ではありません。
手早くおろしたい方や、量が多い場合などは、
大名おろしは、適したおろし方と言えるのでございます。
ただ、ご家庭でサンマをさばく場合や量が少ない場合、無駄を減らして、少しでも多く食べたい場合などは、魚のおろし方の基本となる、丁寧なおろし方【三枚おろし】が、適したおろし方と言えるのでございます。
そう。要するに、二つのおろし方を覚えることで、状況に合わせて、適したおろし方を使い分けることが、出来るようになるのでございます!
そこで、今回!
秋刀魚の捌き方、水洗いなどはもちろん。
魚のおろし方の基本となる、丁寧なおろし方
【三枚おろし】
とにかく手早くおろす、おろし方
【大名おろし】
二つのおろし方について、解説していこうと思います。
秋刀魚(サンマ)/捌き方
秋刀魚(サンマ)/下処理(水洗い)
1 サンマについたヌメリや汚れを洗い落とし、
布巾などで、しっかりと水気を拭き取る。
2 サンマに包丁を立てる(垂直)ように当て、
尾側から頭側に向かって包丁を動かし、ウロコを取り除く。
コツ!ポイント!
※包丁でサンマのウロコを取り除く際、包丁に角度(倒す/寝かせない)をつけないこと。
身に包丁が入りやすくなってしまう。
※腹ビレ付近など、細かな部分は刃先を使うように、ウロコを取り除くとよい。
※裏、表しっかりとウロコを取り除く。
秋刀魚(サンマ)/腹ビレの取り方
※腹ビレや腹ビレの付け根付近にある骨は取り除く必要がある。
サンマの腹ビレをつけたまま、三枚におろしてもよいが、
おろしてからこれらを取り除こうとすると、無駄に手間が増える。
個人的に、腹ビレはおろす前に取り除く。
好みに合わせてお試しください。
3 頭を左、尾を右に向けて、腹ビレをまな板につけ、サンマを立てるように持つ。
コツ!ポイント!
※サンマを強く握ったり、強くまな板に押さえつける必要はない。
4 腹ビレの上に包丁をそえるように乗せる。
5 包丁の下にある、腹ビレに沿わせるように頭側(左方向)に向かって、包丁を進め、腹ビレを切り外す。
※腹ビレと腹ビレ付け根付近の骨を取り除き終えた様子。
三枚におろしてから、これらを取り除こうとすると、
腹ビレ付近の骨に沿わせるように、切り外すなどの手間が増える。
また、おろす前なら一度で済むことを
三枚におろすで、身が二枚にわかれる。
二度、腹ビレを取り除くなどをしなくては、ならなくなってしまう。
6 頭を左、腹を手前に向けて置く。
7 頭を切り落とす。
8 頭を右、腹側を手前に向けて置き、
尻ビレ付近にある小さな穴(肛門)に、刃先を入れ、頭側に刃を向け(逆さ包丁)腹を開く。
9 腹を開き終えたら、軽く包丁の刃元付近を
太く硬い中骨に当てる。
中骨についた血合を刃元で、軽く掻き取るようにして、内臓を取り出す。
コツ!ポイント!
※中骨についた血合はあとで、落とすので、
この時点で、しっかりと取り除くことはないが、
この段階で、ある程度の血合を取り除いておいた方が、その後の効率がよい。
※腹を開き包丁の刃元を中骨に当て、血合を掻き取るように内臓を取り出した様子。
10 流水を当て、残った内臓や血合などをしっかりと取り除く。
このとき、軽く爪を立てるようにして、
内臓などを取り除くこともできるが、
歯ブラシを使うと、手早く綺麗に取り除くことができる。
残った内臓や血合などを取り除き終えたら、
布巾やキッチンペーパーを使い、水気をしっかりと拭き取る。
※流水を当て爪を立てるように、残った内臓や血合を軽く擦る(掻く)ようにしても、落とすことができる。
※歯ブラシを使うと、手早く綺麗に残った内臓や血合を落とすことができる。
※残った内臓や血合を落とし終えた様子。
三枚おろしとは
※魚のおろし方の一種
基本となる魚のおろし方と言える。
基本となる丁寧な三枚おろしの流れとしては、
ウロコや頭、内臓などの下処理(水洗い)を済ませる。
下身の腹側をおろす→下身の背側をおろす→下身をおろし終える。
下身とは
頭を左/腹を手前に向けて置いたとき下側になる身
上身の背側をおろす→上身の腹側をおろす→上身をおろし終える。
上身とは
頭を左/腹を手前に向けて置いたとき上側になる身
おろし終えると、【上身】【下身】【中骨】
計三枚になることから【三枚おろし】という。
秋刀魚(サンマ)/基本となる三枚おろし/おろし方
1サンマの頭側を右、腹側を手前に向けて置く。
尻ビレの付け根付近から包丁を入れ、
骨に沿わせて、太く硬い骨(中骨)まで、
しっかりと腹側の身を切り開く。
コツ!ポイント!
※魚をおろすときの包丁の使い方(切り方)については、ノコギリのようにギコギコと動かして切らない。
イメージとしては、包丁の刃全体を使い、
スーっと流すように、手数を少なく身をおろす。
※おろすときの魚の扱い方についてだが、
魚をおろすとき、しっかりとおろせているか、
確認しようとして切り開いた身を持ち上げない。
めくらない。
これらを意識することで、身割れしてしまうことを防ぐことができる。
確認するとしても、
なるべく、身を持ちあげないようにする。
なるべく、身をめくらないようにする。
これらを意識すること。
※頭を右、腹側を手前に置いたサンマの腹ビレ付近の画像。
※骨に沿わせるように、尾の付け根付近に向かって、腹側の身を切り進めている様子。
※太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと腹側の身を開き終えた様子。
2 腹側の身を開き終えたら、サンマの向きを変える(頭側を左、背を手前)。
3 尾の付け根付近から、骨に沿わせるように、
太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと背側の身を切り開く。
※骨に沿わせるように、太く硬い骨(中骨)まで、
しっかりと背側の身を切り進めている様子。
※背側の身を開き終えた様子。
4 尾の付け根付近に包丁を入れる(中骨の上)。
※この時点で、身が繋がっているのは、
コブのような形をした太く硬い中骨の頂上部分、腹骨、尾の付け根付近。
5 片方の手で尾を押さえる。
包丁を骨に沿わせて、頭側にスーっと流すように、
身と繋がった部分を切り外す。
※包丁をスーっと流すように一気に、身と繋がった部分(腹骨付近)を切り外している様子。
※身と中骨が繋がった部分を切り外した様子。
※尾の付け根付近が繋がっている様子。
7 尾の付け根付近の繋がった部分を切り外す。
※下身をおろし終えた様子。
8 下身をおろし終えたら、サンマを裏返し、
頭側を右、背を手前に向けて置く。
包丁を骨に沿わせるように、太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと背側の身を開く。
※骨に沿わせ、背側の身を切り進めている様子。
※尾の付け根付近まで、しっかりと切り開く。
※背側の身を太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと切り開いた様子。
9 向きを変え、腹を手前に置く。
10 尾の付け根付近から、包丁を骨に沿わせるように、太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと腹側の身を開く。
※腹側の身を骨に沿わせて切り進めている様子。
※腹側の身を太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと切り開いた様子。
11 下身と同様に、身と繋がった部分を切り外す。
※上身の腹骨付近を切り外している様子。
※スーっと包丁を流すように、切り進めることで、腹骨も簡単に切り外すことができる。
※尾の付け根付近のみ繋がっている様子。
12 尾の付け根付近の繋がった部分を切り外す。
※上から下身、上身、中骨、三枚おろしを終えたサンマの様子。
13 腹骨に身をつけないよう、包丁を腹骨に沿わせるように切り外す。
コツ!ポイント!
※腹骨を外しずらい魚などは、一度腹骨の先端付近に包丁を入れ(逆さ包丁)、
腹骨を立たせてから、腹骨を切り外す。
サンマなど包丁を入れやすい魚は、そのまま、
腹骨に沿わせるように包丁を入れ骨を切り外す。
※腹骨に包丁を沿わせ、身から腹骨を削ぐように切り外す。
※骨に沿わせるように、腹骨を身から切り外すくことで、薄い腹側の身をしっかりと残すことができる。
※同様に腹骨を削ぐように切り外す。
大名おろしとは
※魚のおろし方の一種
大名おろしを済ませると、上身、下身、中骨、
計三枚になる。三枚おろしの一種ともいえる。
ただし、魚のおろし方として、基本となる丁寧な三枚おろしとは、かなり異なるおろし方になる。
大名おろし/由来
基本となる三枚おろしを丁寧に済ませると、
骨にわずかな量の身を残す程度で、
無駄なく魚をおろすことができる。
大名おろしは、手早く魚をおろすことができるが、
基本となる三枚おろしと比べ、骨に多くの身が残ってしまう。
骨に身が残る/贅沢/身がもったいないなどから、
【大名おろし】と呼ばれるようになったとされる。
秋刀魚(サンマ)大名おろし/おろし方
1 水洗いを済ませたサンマの頭を右/腹を手前に向けて置く。
上身と下身の間にある、太く硬い骨(中骨)の上に、包丁を入れる。
頭側から尾に向かって、包丁を骨に沿わせて、
一気に下身(片身)をおろす。
コツ!ポイント!
※しっかりと包丁を太く硬い骨(中骨)に沿わせるて、切り進めると、カリカリとしたような感覚が伝わってくる。
頭側から尾に向かって、包丁を流すように、
一気に骨から身を切り外す。
※下画像/頭側断面(切り口)の画像。
※下画像の包丁の先辺りにある、太く硬い骨に沿わせて、骨から身を切り外す。
※頭側から太く硬い骨(中骨)の上に包丁を入れる。
※包丁を流すように、一気に切り進める。
※尻ビレ付近を切り進めている様子。
※尾に向かってしっかり切り進め、そのまま一気に身を外す。
※下身をおろし終えた様子。
2 サンマを裏返し、頭を右/背を手前に向けて置く。
3 頭側から包丁を入れ、同様に一気に上身(片身)を切り外す。
※骨に沿わせて、一気に切り進めている様子。
※尾に向かって切り進め、そのまま身を外す。
※サンマをおろし終えた様子。
※大名おろし終えると、上身、下身、中骨、計三枚になる。
秋刀魚(サンマ)/おろした身のどこに骨があるのかについて
※下画像/骨のある部分(1)をご覧ください。
初めて魚の骨を抜く方や、慣れていない方など、
特に骨があることに気づかない部分/最も骨が残っている部分が、頭側の端の切り口(断面)に入り込んでいる骨。
まずは、頭側の端の切り口(断面)の部分を確認すること。
※下画像/骨のある部分(2)をご覧ください。
サンマをおろすと腹側と背側の身の境目辺りに、骨が身に入り込むように残っている。
下画像のように、おろし終えた身を横に向けて置き、身の真ん中あたりを頭側から尾側に向かって、
指でなぞると、どこに骨があるか、確認することができる。
個人的には、おろしたサンマの骨は取り除くが、
人によっては、そのまま料理に使う方もいる。
骨を抜くのか、抜かないのかについては、
実際に食べてみて、抜く必要があると思うのであれば抜く。
抜く必要がないと思うのであれば、抜かない。
など、好みに合わせてお試しください。
※下画像/骨のある部分(1)
頭側の端の切り口(断面)の様子。
※下画像/骨のある部分(2)
背側の身と腹側の身の境目付近を指でなぞり、
骨がどこにあるかを確認している様子。
秋刀魚(サンマ)/骨の抜き方
1 頭側に向かって引き抜くように、骨を抜く。
コツ!ポイント!
※魚の骨を抜く場合、基本的には、
骨の向きに合わせて、頭側に向かって引き抜くように骨を取り除く。
上記にもあるように、骨がどこにあるかは指で確認することができる。
ただし、馴染みのない方などが、魚の骨抜きをすると、頭側端の身の厚い部分(断面)に骨が残っていることが多い。
まず、頭を切り落とした切り口(断面)付近をしっかりと確認すること。
※頭側の端の切り口(断面)付近にある、骨を抜いている様子。
※背側と腹側の身の境目辺りにある、
骨を抜いている様子。
※身に優しく手を添えながら、骨を抜くと、
骨を抜く際、身にかかる負荷を軽減させることができる。
身を崩さず、綺麗に骨を抜き取ることができる。
秋刀魚(サンマ)/皮の引き方/取り方
1 骨を抜くなどの処理を済ませる。
2 尾側の端の身(皮)に、しっかりと包丁を当てる。
コツ!ポイント!
※尾側の端の身を皮一枚残すように、
切り目を入れ、包丁の刃を皮側に向けて、
皮から身を剥がすように、皮を引いてもよいが、
包丁の刃を皮に向けながらだと、
皮が上手く引けない/引きずらさを感じるようなら、包丁の背を使うとよい。
包丁の背で、皮から身を剥がすように、
皮を引くことで、皮を切りずらくすることができる。好みに合わせてお試しください。
3 包丁の刃、または背を皮に沿わせるように、
尾側から頭側に向かって、スーっと皮から身を剥がすように動かす。
※サンマの刺身を作る場合、皮を引く。
慣れるとスーっと簡単に、皮を取り除く(身を剥がす)ことができる。
どうでしょうか?
うーん。なぜだろう?
毎年、秋刀魚を食べている。
はっ!?そうか!?
秋刀魚が旨いからだ!
秋刀魚を自分で捌く!三枚におろす!
普段そのまま塩焼きにしていた秋刀魚を
刺身や炙り蒲焼きなどなど、おろした秋刀魚を使って、様々な料理を作ることができるようになる!
ますます、料理が楽しくなること間違いなし!
この機会に是非、お試しください。
※準備が整い次第になってしまいますが、三枚におろした秋刀魚を使って、刺身や炙りなどの解説を予定しています。
是非、そちらもご覧ください。
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それでは皆様、お付き合いありがとうございました!
また、宜しくお願いいたしますぅ。