【板前レシピ】鰤(ブリ)/ハマチのさばき方/おろし方

鰤/ハマチの基本となるおろし方(三枚おろし)鱗の引き方(すき引き)など、分かり易くまとめて徹底解説!

鰤(ブリ)について

出世魚で関東と関西で呼び名が異なる。

関東では

モジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ

関西では

ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

地方によってその他呼び名多数あり。

鰤(ブリ)漢字/読み方

書き方/鰤、読み方/ブリ

鰤(ブリ)旬

11月頃~出回るが【寒鰤】と呼ばれる12月~2月が旬

鰤(ブリ)寒ブリブランド

氷見ブリ、能登ブリ、佐渡ブリ

鰤(ブリ)漁獲量を目安とした主な産地

長崎県、石川県、島根県、千葉県

鰤は養殖も多く養殖物だと

鹿児島県、大分県、愛媛県

鰤(ブリ)養殖と天然物の違い

基本的に、養殖のブリは、ブリと呼ばれるサイズになる前に出荷されている。

これが絶対とは言いきれないが、一般的にハマチとして出回っている物は、養殖と思ってよい。

近年養殖の技術が高まり、養殖特有の臭いや、脂っこさなど驚くほど良くなっている。

技術の向上もあり一概には言えないが

見た目の違いだと天然物とは異なり顔やヒレのシャープさがなく丸みをおびている。

身に関しては天然物のように身が濃い色合いではなく全体的に白っぽく脂が多い。

天然がよい。養殖がわるい。という訳ではなく好みはハッキリと別れる。

鰤(ブリ)食べ方

刺身、焼き物、煮物、揚げ物、蒸し物など幅広く使われる。

鰤についての説明はこれくらいにして。

なぜ、今回ブリを解説することになったのか?

理由は簡単。鰤をいただいたからでございます。

個人的にとてもありがたいのですが、少し悪い気も。

気持ち程度ですが、お茶でも飲んで。

と、多少強引に受け取ってもらったと。

まぁこんなやり取りがありまして。

エラの色が変わっているなど、若干の難はありますが、身はしっかりとして、刺身で食べても、全く問題なし!

近年輸送技術の向上で、ブリやヒラメなどのウロコを取るとき、わざわざ包丁でウロコを引く(すき引き)方を見かけることが少なくなりました。

良い機会なので、すき引きのやり方(ウロコの取り方)さばき方/おろし方など、まとめて解説をしていこうと思います。

※ヒラマサ、カンパチなども捌き方は基本的に同じといえる。

鰤(ブリ)/ハマチ/捌き方

鰤(ブリ)/ハマチ/ウロコの引き方/すき引き

1 そのまま、包丁で削ぐように鱗(ウロコ)を取っても良いが、先に、胸ビレと背ビレを包丁で切り外すと、効率よくウロコを引くことができる。

コツ!ポイント!

※慣れてしまえばヒレを落とさず、すけ引きしても、特に問題無くウロコを引けるが、先に取ってしまった方が、ウロコを引き易りやすい。

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※胸ビレを切り外している様子。

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※このように先に切り外しておく。

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※すき引きをする際、背ビレがついたままだと、

包丁が引っかかってしまうことがある。

先に、背ビレを切り外しておくと、ウロコが引きやすい。

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2 尾側から頭側に向かって、皮を傷つけないように、ウロコを削ぐように引いていく。

コツ!ポイント!

※鰤の表面に包丁をピタリとつける。

鰤に包丁をつけた状態で、上下に動かしながらウロコを引いていく。

包丁は真っ直ぐ上下に動かすのではなく、画像のように角度をつけてウロコを引いていく。

すき引きに使用する包丁は、基本的に刺身包丁(ヤナギなど)を使う。

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※下画像/参考迄に、刺身を予定していない、

カマ付近の身まで、包丁を入れた様子。

このように、身まで包丁を入れてしまうと、

身が表に出てしまう。

刺身などに使用する場合、その部分が削り取られてしまい、皮を引いたとき、見栄えが悪くなってしまう。

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鰤/ハマチ/下処理/下ごしらえ(水洗い)

1 胴体と頭を繋ぐような部分(頭下側の細い部分)と、エラの下側の付け根を一緒に切り外す。

コツ!ポイント!

※胴体と頭のを繋ぐようにある細い部分と、エラの付け根を一緒に切り外しておくと、効率よく捌くことができる。

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2 胴体側(胴体/頭側の端)の丸みがかった部分に、包丁をぐるりと沿わせるように入れ、膜のような部分などを切り外す。

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3 頭上側にあるエラの付け根を切り外す。

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4 尻ビレの付け根付近に、小さな穴(肛門)がある。

小さな穴(肛門)に包丁の先を浅く入れ、内臓を傷つけないように、頭側へ切り進め(逆さ包丁)、

腹を開く。

腹を開いたら、付け根を切り外したエラと、内臓を取り除く。

コツ!ポイント!

※エラを取らずに頭、カマ、内臓を一緒に取るやり方もあるが、

個人的には、先にエラと内臓を取り出し、残った内臓や血合などをしっかりと落としてから、頭とカマを切り外すやり方をしている。

どちらが正しいかは、人それぞれ考え方などが異なることから、どちらとも言い難いが、

流水を当て、残った内臓や血合を落とすことを考えると、先に頭やカマを外すやり方が、よいとは、思わない。

理由としては、頭やカマを先に外してしまうと、

切り口(断面)の身の部分に水が当たる。

その部分が、洗いにかけたような状態に、なってしまう。

好みに合わせてお試しください。

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5 内臓を取り出すと、太く硬い骨の部分(中骨)に、はりつくように血合がついている。

太く硬い部分(中骨)を包丁の刃先でなぞるように、血合に切り目を入れる。

コツ!ポイント!

※中骨についた血合に切り目を入れることで、血合を落としやすく(取りやすく)することができる。

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6 流水に当て、ササラや竹串を束ねたものなどを使い、血合を取りしっかりと落とす。

残っている内臓なども、しっかりと取り除く(洗い落とす)。

血合や内臓などを落としおえたら、

布巾などを使い、しっかりと水気を拭き取る。

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7 頭を左/腹を手前に向けて置く。

頭付け根、胸ビレ、腹ビレギリギリの部分を線で繋ぐように切る。

※この時点では太く硬い骨(中骨)は切らない。

太く硬い骨に包丁が当たるまで、しっかりと包丁を入れる。

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8 鰤を裏返し同様ように切る。

この時点では、まだ太く硬い骨(頭とカマ)は、切り落としていない。

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9 太く硬い骨(頭とカマ)を切り落とす。

コツ!ポイント!

※気にせず力を入れて、太く硬い骨を無理に切ろうとすると、身を潰してしまう。

骨の硬い部分を切るのではなく、軟骨の部分を切ることで、力を入れず簡単に骨を切り落とすことができる。

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鰤/ハマチ/基本となるおろし方(三枚おろし)

鰤/ハマチ/おろす際の注意点

※鰤はおろすと短時間で身(血合)の色が悪くなる。

なるべく、料理の直前(刺身など提供する直前)で、おろすようにする。

少量使う場合など、使う分だけおろすようにするとよい。(背側だけ/腹側だけ(五枚おろし)にするなど。

基本となる三枚おろしの手順

基本的に、魚は下身からおろす。

三枚おろしの手順としては、

頭側を右/腹を手前にして置く。

下身の腹→下身の背→下身をおろす。

上身の背→上身の腹→上身をおろす。

三枚おろしを終えると、上身、下身、中骨、

計三枚になることから【三枚おろし】と呼ぶ。

個人的な考え方としては、

まずは、基本をしっかりと身につける。

魚の扱い方に慣れたら、自分がよいと思うおろし方をすればよい。

どのようにおろしたとしても、

仕上がりが良ければ、それにこしたことはない。

基本を身につけると、自然と自分流のおろし方をするようになる。

なら最初から自分流でおろせばよいのでは?

と思う方も、居るかとは思うが、

基本が身についていなければ、全てが中途半端になってしまう。

まずは、しっかりと基本を身につけることをオススメいたします。

1 頭側を右/腹を手前に向けて置く。

尻ビレ付近から包丁を入れ骨に沿わせて、尾の付け根付近に向かって、太く硬い骨(中骨)までしっかりと腹側の身を切り開く。

コツ!ポイント!

※切り開く際の包丁の使い方についてだが、

包丁ノコギリのようにギコギコと動かして切らない。

イメージとしては、包丁の刃全体を使い、

スーと包丁を流すように、身を切り進める。

※切り開く際、何度も包丁を入れて切り開くのではなく、できるだけ手数を少なく身を切り開く。

※切り開く際、太く硬い骨(中骨)に包丁が当たるまで、しっかりと包丁を入れる。

※太く硬い骨(中骨)は、コブのような形状をしている。

コブのような形をした部分に、ついている身を切り外す必要がある。

太く硬い骨までしっかりと包丁を入れ切り開いたら、包丁に角度をつけ、中骨をなぞるように、コブのような形をした、骨についている身を切り外しておくこと。

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2 鰤の向きを変え、頭側を左/背を手前に向けて置く。

尾の付け根付近から頭側に向かって、太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと背側の身を切り開く。

※上記コツ!ポイント!にあるように、コブのような形をした部分に、ついた身をしっかりと切り外しておく。

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3 尾の付け根付近から包丁を入れ、包丁を骨に沿わせて、骨頭側に向かって、骨と身の繋がった部分を切り外す。

コツ!ポイント!

※そのまま、腹骨も切れるようなら、切り外してしまってもよいが、

腹骨を切りずらいようなら、少し包丁を立て、

腹骨を切り進める。

※ただし、包丁を立てて、腹骨を切ることを意識し過ぎてしまい、下側の身を傷つけないよう注意すること。

※腹骨付近の様子。

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※包丁を立て腹骨を切っている様子。

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※下身と繋がっている部分を切り外したら、尾の付け根付近の繋がっている部分を切り外し、下身をおろし終える。

※下身をおろし終えた様子。

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鰤/ハマチ/上身のおろし方について

※基本となる三枚おろしは、下身をおろし終えたら、

鰤を裏返し、身を上にして上身をおろしていく。

※ただし、鰤などの大きな魚/身の柔らかい(身割れしやすい)魚など、裏返して身を上に向けずに、

骨を上に向けたままおろすことが多い。

※魚の扱いに慣れていない方(骨の感覚などを掴みきれていない方)など、骨から透けて包丁が見えるので、しっかりと骨に包丁を沿わせているかなど、確認しながら、おろす事ができる。

難しいようだが、かえって、おろしやすいかと考える。

これらの理由から、下身をおろし裏返さず、そのまま(骨を上に向けたまま)で、上身をおろすやり方(三枚おろし)を解説している。

4 頭側を左/背を手前(骨側を上/身側を下)に向けて置く。

尾の付け根付近から頭側に向けて、上にある骨に沿わせて、しっかりと太く硬い骨(中骨)まで、しっかりと背側の身を開く。

コブのような形をした、骨についた部分の身をしっかりと切り外す。

コツ!ポイント!

※包丁が、骨に当たる感覚が掴めていないようなら、骨から透けて見える包丁を確認しながら、切り進めるとよい。

中央付近の太い骨までおろしたら同様に角度をつけて天辺のみ繋がるようにする。

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5 向きを変え、頭側を右/腹を手前に向けて置く。

尻ビレの付け根付近から包丁を入れ、頭側から尾の付け根付近に向かって、腹側の身を切り開く。

コブのような形の、骨についた身をしっかりと切り外す。

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6 骨を上に向けたまま、骨と身が繋がっている部分を切り外してもよいが、裏返し、

頭側を左/腹を手前(骨側を下/身側を上)にして、上記、下身と同様に、身の繋がっている部分や腹骨を切ってもよい。

身と繋がっている部分を切り外し終えたら、尾の付け根付近と繋がっている部分を切り外す。

上身をおろし終え、上身、下身、中骨、

計三枚になる。(三枚おろしを終える)

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鰤/ハマチ/中落ちの取り方

※中骨は平らではない、どれだけ丁寧におろしても、

中骨に多かれ少なかれ身が残る。

スプーンなどを使い、中骨についた身を掻き取ることで【中落ち】、身を無駄にすることなく、食べることができる。

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7 おろし終えた鰤についている腹骨を

骨に包丁を沿わせて、削ぐように切り外す。

コツ!ポイント!

※腹骨を切り外す際、包丁を入れずらいようなら、

腹の先に包丁を入れ、腹骨を立たせてから、

腹骨に身を残さないよう、切り外す。

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※腹側の身の下部分に、身の硬い部分がある。

ここの部分は【砂ずり】と呼ばれ、

この部分をつけたまま切ると、全体の身と硬さが異なるため外しておく。

砂ずりはとても美味しく、硬さが気になるようなら、薄く切る。

切り込みを入れる。炙るなどする。

独特なコリッとしたような食感を味わうなら、

あえてぶつ切りにしてもよい。

好みに合わせて、お試しください。

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※腹骨の部分に包丁が入れにくいようなら、一度逆さ包丁を入れ、骨を立たせて腹骨を切り外しやすくしてから腹骨を切り外す。

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大きな魚や身割れしやすい魚など、

下身をおろし裏返さずに、骨を上に向けたまま、

上身をおろすことで、身にかかる負担を減らすことができる。

それだけでなく、裏返す手間を減らすことができる。

さらに、鰤を初めておろす方や、魚の扱いに慣れていない方など、骨から透けて見える包丁を確認しながら、おろすことができる。

鰤や大きな魚、身割れしやすい魚の基本となる三枚おろしのやり方/おろし方なので、

身につけておいて良かった!と、

思うこと間違いなし!?

鰤/ハマチや大きな魚など、骨が硬いなどの違いがあったとしても、

小さな魚をおろすより、大きな魚の方が、

おろす際、骨の感覚などが分かり易く、慣れてしまえば、簡単だったりするものです。

鯵がおろせれば、一部を除いて大きさや形状に多少の違いがあるだけで、

大きな魚は捌いたことがないから、無理。

なんて思っていた方も、いざ捌いてみたら、

ん?あれ?おや?

もしかして、思っていたよりおろせる!?

と、感じること間違いなし!?

この機会に是非、お試しください。

ぶりしゃぶの作り方/レシピ

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様々な魚介や野菜の下処理/下ごしらえ/料理やレシピなど 

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それでは皆様、お付き合いありがとうございました!

また、宜しくお願いいたしますぅ。