つぶ貝をそのまま?絶対ダメ!下処理/下ごしらえが大切!【塩茹で/煮付け/ゆで方/レシピ/食べ方】などまとめて徹底解説!!
ツブ貝/バイ貝について
主にエゾバイ科の巻き貝の総称で、ツブやバイと呼ぶ。
ツブ貝/バイ貝の見分け方
実際のところ、かなりの種類があり、どれがツブでどれがバイとするのが難しく。
ツブと言ったり、バイと言ったり混同されている。
一般的にバイ貝(越中バイなど)と、呼ばれるものは殻の表面がツルッとしている。
一方、ツブやマツブと呼ばれるエゾボラ(ヒメエゾボラなど)は、殻の表面が凸凹としている。
ツブ貝やバイ貝を食べるときの注意点
ツブ貝やバイ貝と呼ばれる、これら貝で、唾液線に含まれるテトラミンという毒素を持っているものがある。
テトラミンは生食(刺し身)や、加熱(煮付け)に関係なく、めまいや頭痛など様々な症状を起こすため必ず取り除くこと!
しっかりと取り除くことで、刺身でも美味しく召しあがれます。
ツブ貝やバイ貝の食べ方
刺身、煮物、焼き物、蒸し物など様々
主な産地
ツブ(エゾボラ) 北海道
バイ貝(越中バイ)島根県
ツブ貝/バイ貝 旬
ツブやバイと呼ばれる貝は、種類も多く各地で水揚げされる為、
どちらも通年出回っていることから、いつと言うのが難しい。
ツブやバイについての説明はこれくらいにして
ツブ貝の塩茹で/煮付け/旨煮?あ~。
あれはそのまま茹でたら良いんでしょ?簡単簡単。
ちょっと待った!
それ非常に危険です!
自分で作って食べて、何かあったら自己責任で済んだとしても、
大切な人に何かあったらどうしますか?
笑い話ではなくなってしまいます。
そこで今回!
ツブ貝を使って、食べる相手のことを考え、身を取り出しやすくする殻の処理、
安心して食べるための唾液腺の取り方などの、下処理/下ごしらえはもちろん。
ツブ貝のゆで方や煮方/炊き方、塩茹で/煮付け/旨煮の作り方など、
まとめて解説していこうと思います。
ツブ貝/下処理/下ごしらえ/唾液線の取り方
1 ツブ貝についた汚れをタワシなどを使い、しっかりと洗い落とす。
2 鍋にツブ貝を入れ、ツブ貝がしっかりとかぶる量の水を入れ火にかける。
3 沸いたら火力を弱め、コトコトと5分程度炊き、ツブ貝に火を通す。
途中、アクが浮いてきたら丁寧にすくいとる。
コツ!ポイント!
※グツグツと強火にかけてしまうと、貝の身が縮んでしまったり、硬くなってしまう。
火力を調整し、コトコトと茹でること。
4 茹でたツブ貝を流水にさらす。
このとき、汚れが残っていたらしっかりと落とす。
茹でたツブ貝の身に、千枚通しやアイスピックなどを差し、
クルッとひねるように、身を出す。
※どれくらい殻から身を出すかは、下画像をご覧ください。
コツ!ポイント!
※爪楊枝や竹串でもよいが、折れてしまうことがあるので、なるべく硬く先の尖った物を使う。
5 出した身を見ると、身から水菅がうっすらと透けて見える。
水菅の下に千枚通しなどを差し、軽く持ち上げるようにして水菅を出す。
コツ!ポイント!
※浅く包丁で切り目を入れ、身を開いて水菅を出してもよい。
6 水菅の両横(左右)辺りに、唾液線(鶏肉の皮と身の間についている脂のような見た目のもの)があるので、指を差し込み唾液線を取り出す。
流水を当てながら唾液線をしっかりと洗い落とす。
この時、身についている貝の蓋のような殻も取っておく。
※料理を提供されるとき、蓋のような殻のついた状態のものを見かけるが、
丁寧な仕事をするなら、食べる方のことを考え、先に取っておくこと。
ツブ貝/貝が小さく身が取り出しずらい場合/対処方/下処理
1 食べる際、身に爪楊枝などが届くように、包丁の背などを使い殻を軽く叩き、殻を砕く。
コツ!ポイント!
※下処理を済ませると、身がどこまで殻の中に入っているか確認できる。
このままだと食べずらい。身を取り出しずらい。
と、感じたら食べる方のことを考え、この時点で殻から身が取り出し易くなるよう、
一部殻を砕いておく。
※処理前と処理後。
ここまでが下処理/下ごしらえ/唾液線の取り方。
ツブ貝/塩茹で/茹で方/作り方
1 鍋に塩水(2%濃度の塩水)、下処理を済ませたツブ貝を入れ火にかける。
沸いたら火力を弱め、コトコトと5分ほど茹でる。
コツ!ポイント!
※塩茹では基本的に海水(およそ3%濃度)より、薄めの2%濃度の塩水で茹でる。
※今回は、最もシンプルな方法で、ツブ貝の旨味を味わって頂きたく、
味つけは塩のみだが、酒や昆布を入れても美味しく食べられる。
ツブ貝/塩茹で/盛り付け/食べ方
2 茹で終わったツブ貝を器に見栄え良く盛り付ける。
茹で汁を適量、注ぎ入れる。
コツ!ポイント!
※温かい状態はもちろん。冷めても美味しいく食べることができる。
ただし、冷ましたものを再度温めると、身が硬くなってしまったり、
縮んでしまうので注意すること。
ツブ貝/煮付け/旨煮/作り方
1 下処理を済ませたツブ貝、昆布一片、水、濃口醤油、ミリン、酒、好みで砂糖を入れ火にかけ、沸いたら火力を弱めコトコトと5分ほど煮る。
ツブ貝旨煮の地割合
水6~8、濃口醤油1、ミリン1、酒少々、好みで砂糖
鰹出汁を使う場合
出汁6~8、濃口醤油1、ミリン1、酒少々、好みで砂糖
煮付けについて
※旨煮や含め煮を煮付けとしているような方もいるようだが、煮付けとは本来、少ない地(煮汁)を使い、強火で一気に仕上げる。
味を含ませるというよりは、食材に煮汁を絡めるように仕上げる。
仕上がったときには、煮汁がほぼ残っていない。
食材に味を含ませる炊き方とは違い、食材に味を含ませていない分、
仕上がり時の煮汁はこってりと濃い味で、とろみをつけた状態(イメージとしては食材に味を乗せる/絡める)、煮かた、仕上がりを煮付けと考える。
※旨煮や含め煮、煮付けの違いに関しては個人的な考えで、否定しているわけではありません。予めご了承ください。
つぶ貝/煮付け/作り方
鍋につぶ貝(処理を済ませ、殻から取り出した身)を入れ、
つぶ貝がひたひた程度に浸かる酒(少量/少なめ)、
砂糖を入れ、強火で一気に炊き、徐々に醤油を入れ味を付け、
ミリンを入れ照りをつけ仕上げる(イメージとしては、短時間で煮汁をほぼない状態に詰め、とろみをつけて食材に味を絡めるように仕上げる)。
※調味料には味をつける以外にも様々な意味/役割がある。
各調味料を入れる順序や、煮付け/煮かたなどに関して以前、詳しく解説していますのでこちらをご覧ください。
※その他の方法として色つけとして、たまり醤油少々を使う。
濃口醤油を使わずに、たまり醤油を使うなど様々な方法がある。
※割や何を使うのが正解ということは料理にはないと考える。
好みに合わせて色々とお試しください。
コツ!ポイント!
※どれが旨いということではなく完全に好み。
他にはスライスした生姜を入れる、酒を多く使ったり薄口醤油を使うなど様々。
上記、割りで美味しくツブ貝の旨煮をお召し上がり頂けますが、
様々なやり方を知って損はないと思いますので、機会があれば好みに合わせ色々とお試しください。
ツブ貝/旨煮/盛り付け/食べ方
2 器にツブ貝うま煮を見栄え良く盛り付ける。
煮汁を適量、注ぎ入れる。
コツ!ポイント!
※温かい状態はもちろん。
冷まして味を含ませた状態どちらも美味しくお召し上がり頂けます。
但し、冷めたものを温める場合、身が硬くなってしまったり縮んでしまうため注意すること。
食べるときの身の取り出し方
※身に爪楊枝などを刺してぐるりとひねるように取り出す。
※このように殻の中の身や肝など取り出すことが出来る。
塩茹で/煮付け/旨煮は、簡単と思われる方も居るかとは思いますが、
塩ゆでなどのように、素材の味を活かすシンプルな料理や、
煮付けや旨煮のような、定番の料理だからこそ難しく、
下処理やちょっとした気遣いで、大きな違いが出るものです。
この機会に是非、お試しください。
つぶ貝刺身の作り方
様々な野菜や魚介の下処理/下ごしらえ/料理の作り方/レシピ
それでは皆様お付き合いありがとうございました!
また宜しくお願い致しますぅ。