【板前レシピ】鰆(サワラ)/サゴシのさばき方/おろし方

身割れを防ぎ、骨に身を残さず綺麗に三枚におろす方法など、サワラ/サゴシのさばき方/おろし方について徹底解説!

鰆(サワラ)について

鰆(サワラ)/出世魚(しゅっせうお)とは

成長とともに名前(呼び名)が変わる魚

地位が上がる【出世する】→【出世魚】

鰆(サワラ)/サゴシ/違い

関東

小さいものを【サゴチ】

大きなものを【サワラ】

関西

小さいものを【サゴシ】

中間を【ヤナギ】

70㎝~【サワラ】

鰆とサゴシは【同じ魚】だが大きさの違いで、呼び名が変わる。

鰆(サワラ)/主な産地

福井県、石川県、京都府

鰆(サワラ)/旬

鰆の旬は二度あると言われる。

冬の12月~2月の【寒鰆】

海洋から寄ってきて瀬戸内海などで多く獲れた時期の5月頃~6月

鰆についての説明はこれくらいにして。

鰆は歯が鋭く、一見とても荒々しい印象だけども、いざ下処理を済ませ、鰆を食べると!?

クセもなく、とても上品な味わいをしている。

とまぁ鰆はとても美味しい!

が、しかし!!

身が柔らかく、無理におろしたり、扱い方を間違えると、直ぐに身が割れてしまう【身割れ】。

身割れして、身がボロボロになってしまっては、せっかくの鰆が、台無しなんてことも。

そこで今回!

鰆の扱い方や【下処理/下ごしらえ】はもちろん。

【骨に身が残りずらい/おろしやすい】【身割れを防ぐコツやポイント】【さばき方/おろし方】を解説していこうと思います。

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鰆(サワラ)/さばき方

鰆(サワラ)/下処理/下ごしらえ

1 鰆には鱗(ウロコ)がないと言う方もいるが、鱗が取れやすいだけで、鰆にも鱗はある。

※特に鮮度の良い鰆には、鱗が多く残っている。

鰆を洗い表面のヌメリを落とす。

尾から頭に向かって、包丁で鰆の表面を軽くなぞるように、鱗を取る。

鱗を取り終えたら、鰆を洗い、しっかりと水気を拭き取る。

鰆(サワラ)/扱い方

※鰆はとても身が柔らかく、持つときや裏返すとき、まな板などに置くとき、

勢いよく鰆をまな板に置く/掴む/片手で持つなどしてしまうと、身割れしてしまう(身割れの原因になる)。

※両手で身が(鰆が)曲がらないように持つ/優しく鰆をまな板に置くこと。

※おろすとき、おろせているか確認しようとして、身をめくり上げて確認しない。

確認するとしても、身に手の平を軽く添えるように当て、身を軽く持ち上げるように確認する。

コツ!ポイント!

※鰆の身はとても柔らかく、力を入れて鱗を取ろうとすると、身割れの原因になる。

包丁で優しく撫でるように、鱗を取ること。

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鰆(サワラ)/エラ/内臓/取り方

2 鰆の頭を右、腹を手前に向けて置く。

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3 エラ蓋をめくり、胴体と頭が繋がる細い部分と、下側エラの付け根を一緒に切り落とす。

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※下側のエラ付け根を切り落とした様子。

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4 胴体の丸みのある部分に、沿わせるように包丁を入れ、繋がった膜のような部分を切り外す。

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5 頭側の太いエラの付け根を包丁で切る。

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6 尻ビレ付近に小さな穴(肛門)がある。

肛門に包丁の先を入れ、腹を切り開く【逆さ包丁】。

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※逆さ包丁で腹を開いている様子。

逆さ包丁が難しいようなら、頭側から浅く、包丁を入れ肛門付近まで開いてもよい。

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※腹を開き終えた様子。

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7 エラを持ち尾側に向かって、引っ張るように、

腹からエラ内臓を一緒に取り出す。

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8 内臓が繋がっている部分を包丁で切り外す。

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鰆(サワラ)/血合/落とし方/取り方

 

 

9 下画像/腹から内臓を取り出し終えた様子。

画像でも確認できると思うが、腹から内臓を取り出すと中骨に、張り付くように血合がついている。

包丁の刃元を使い、削ぐように取り除いてもよいが、身割れしてしまう恐れがあり、多少の慣れが必要になる。

血合を取り除きやすく、するために、血合に浅く包丁で切り目を入れる。

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※血合に切り目を入れた様子。

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10 流水を当て、軽く爪を立てるようにして、優しく掻くように血合をしっかりと落とす(取り除く)。

コツ!ポイント!

※中骨に沿わせるように、指で血合を優しく、

取り除いていく。

竹串などを束ねた物やササラなどで、血合を取ろうとすると、鰆の身は柔らかく、身を傷つけてしまい、身割れの原因になる(身割れする)。

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※血合を取り終えた様子。

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鰆(サワラ)/頭/カマ/取り方/外し方

11 水洗いを済ませた鰆の水気を布巾などで、

しっかりと拭き取る。

頭を左、腹を手前に向けて置く。

頭の付け根と、腹ビレ付け根付近を線で繋ぐように、中骨に当たるまでしっかりと、包丁を入れる。

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※中骨までしっかりと包丁を入れた様子。

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12 鰆を裏返し、同様に中骨までしっかりと包丁を入れる。

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※裏、表、包丁を入れた様子。

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13 中骨を切り頭を落とす。

コツ!ポイント!

※中骨を切り落とすとき、無理に切り落とすと身割れの原因になる。

骨と骨の間にある白っぽく透明な部分(軟骨)、を切ると簡単に、頭を切り落とすことが出来る。

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※胴体から頭を切り外した様子。

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鰆(サワラ)/骨に身が残りずらい/三枚おろし/おろし方

 

 

14 頭側を右、腹を手前に向けて置く。

尻ビレ付近から、ヒレの付け根に合わせ、

骨に沿わせて、浅く切り目を入れる。

今回、解説する捌き方/おろし方/手順

下身/腹→上身/背→下身/背(下身をおろし終える)→上身/腹(三枚おろしを終える)

魚の上身/下身とは

頭を左、腹を手前にして置き、上になる身が【上身】

頭を左、腹を手前にして置き、下になる身が【下身】

一般的な三枚おろし/手順

魚をおろす際、基本的に下身(頭を右側に向け、上になる方の身)からおろす。

下身/腹→下身/背→下身(片身)をおろす。

上身/背→上身/腹→上身(魚をおろし終える)をおろす。

コツ!ポイント!

※一般的な三枚おろしの手順は、効率よく魚をおろすことが出来る。

ただし、片身ずつおろすことで、下身をおろしてから、上身をおろそうとすると、

下身がない状態になってしまい、高さがなくなり、おろしずらくなる。

骨から身を外さず、身を残したまま、おろせる状態にすることで、

おろす際に高さを残しおろすことが出来る。

おろしやすくすることで、骨に身が残りずらくなる。余計に力を入れず(身割れを防ぐ)、おろすことが出来る。

結果的に、身割れせず、骨に身を残すことなく、綺麗におろす/捌くことが出来る。

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15 太く硬い骨(中骨)までしっかりと包丁を入れ、腹側の身を開く。

太く硬い骨(中骨)までおろしたら、

包丁の刃を少し上に傾け、コブのようになった、

太く硬い中骨に繋がった身を骨から外す。

コツ!ポイント!

※画像では、確認することが出来るように、

身を持ち上げているが、身割れの原因になるので、身を持ち上げない。

※魚をおろす際、ノコギリを使うように、ギコギコと包丁を動かさないこと。

身割れ、断面が凸凹とした仕上がりの原因になる。

包丁全体を使い、流すようなイメージで中骨まで一回、または二回程度でおろす(開く)ようにする。

※中骨までおろしたら(開いたら)、中骨に沿わせて、包丁の刃を少し上に傾け、コブのようになった、太い中骨に繋がった身を外す。

イメージとしては、中骨の頂上と、身が繋がった状態になるようにおろす。

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16 鰆を裏返し、背を手前、頭を右にして、

背ビレの付け根付近に合わせ、

骨に沿わせて、浅く包丁で切り目を入れる。

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17 太く硬い骨(中骨)まで、しっかりとおろす。

包丁を傾け中骨に沿わせるように、骨についた身を外す。

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18 鰆を裏返し、背を手前、頭を左に向けて置く。

尾の付け根付近から包丁を入れ、背ビレ付け根付近に合わせ、骨に沿わせて、浅く切り目を入れる。

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19 同様におろす。

※この時点で、上身の腹はまだおろしていない。

下身は背側、腹側を開き終えた状態。

下身が繋がっているのは、尾の付け根付近、コブのようになっている中骨の頂上、腹骨。

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20 下身の腹と背を開き終えた、鰆の尾の付け根付近に、包丁を入れる。

コツ!ポイント!

※尾の付け根付近に繋がった身は外さない。

尾の付け根付近と身を繋げた状態にする。

※尾の付け根と身が繋がっていることで、腹骨を切る際に身がズレず、作業がしやすくなる。

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21 包丁を返し、骨に沿わせ頭側に向かって、

切り進める。そのまま腹骨も切り外す。

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※腹骨を切っている様子。

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22 刃を尾側に向けて入れ、身と尾の付け根を切り外す。

※この時点で、下身をおろし終えた状態。

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※付け根付近を切り外し、下身をおろし終えた様子。

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23 同様に上身、腹をおろす。

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24 同様に上身、尾の付け根付近に繋がった身を切り外す。

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25 下身と同様に腹骨を切る。

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26 尾の付け根付近の身を切り外し、鰆の三枚おろしを終える。

コツ!ポイント!

鰆は人により様々なおろし方がある。

その他のおろし方として、片身をおろし終えたら、骨を上にしたままの状態で、背側、腹側をおろしていく。

同じ状態で、大名おろしのようのおろすなど。

魚のおろし方に関しては、正解はなく、仕上がりが良ければ、それが正解と個人的には考える。

好みに合わせたやり方をお試しください。

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鰆(サワラ)/腹骨/外し方

 

 

1 身が腹骨につかないよう腹骨に沿わせるようにして、包丁を入れ切り外す。

コツ!ポイント!

※腹骨に沿わせるように、包丁を入れずらい場合、

一度、腹骨の付け根付近に浅く切り目を入れる。

逆さ包丁などで、切り目を入れることで、腹骨の先端を立たせることが出来る。

※腹の端の身(砂ずり)は、固く身の食感が異なる。

腹骨と一緒に、砂ずりを切り落としてもよい。

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※腹骨と身の固い部分を切り外した様子。

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※切り外した腹骨と身の固い部分の様子。

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鰆(サワラ)/中骨/抜き方/取り方

1 頭側を右に向けて置き、身の真ん中付近にある、骨を確認する。

※頭側から尾側まで、骨がある訳ではない。

鰆は真ん中付近まで骨が残っている。

どこに骨があるかは、指でなぞり確認すること。

コツ!ポイント!

※身の頭側の断面に、骨が残っている場合があるので、しっかりと断面も確認すること。

※焼き物などにする場合、塩をふり臭みの原因となる水気を抜く。

水気を抜くことで、身が締まり身割れしずらくなる。

振り塩する場合、振り塩を終えてから、

骨を抜くと身割れしずらい。

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2 画像のように手を添え、骨抜きで、骨をつまむ。

頭側に向かって、引っ張るように骨を抜いていく。

コツ!ポイント!

※手を添えることで、骨を抜く際に、

身にかかる負担を軽減させることができ、

身割れを防ぐことが出来る。

※骨の入っている向きに逆らって、

骨を抜くと身が崩れてしまう(身割れする)。

頭側に向かって、骨を引くように抜くこと。

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※骨を抜いている様子。

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美味しい鰆!

せっかく自分で鰆/サゴシを三枚におろすなら、身がボロボロにならず、綺麗におろした方が良い!

綺麗におろすと、それだけでも美味しく感じてしまう!?

この機会にお試しください。

鰆(サワラ)/料理/盛り付け一例/画像

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様々な野菜や魚介の下処理/下ごしらえ/レシピ/食べ方

itamae-recipe.com

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それでは皆様お付き合いありがとうございました!

またよろしくお願いいたしますぅ。