【板前レシピ】冬瓜(とうがん)/下処理/下ごしらえ

冬瓜の色を鮮やかにする!色を残す【皮のむき方/色出し/色止め/ゆで方】などまとめて徹底解説!

冬瓜について

冬瓜/旬

7月~9月頃/夏

冬瓜/由来

冬瓜の旬は夏なのに、なぜ冬瓜と呼ばれるのだろうか?と思った方もいるかと思います。

冬瓜は保存が利く。切らずに、そのままの状態で保存すれば冬まで保つ。

それら理由から【冬瓜】となったとされる。

冬瓜/主な産地

沖縄県、愛知県、岡山県

冬瓜についての説明はこれくらいにして。

なんで自分で料理すると、冬瓜の色が飛んじゃうんだろう?

黄色っぽくなったり、くすんだような色になったり、鮮やかな緑色にならないんだよな。

皮をどこまで剥けばよいか分からない。

そもそも色なんて気にしない。

なんて方が、いるとかいないとか。

ちょっと待った!

せっかくの冬瓜!色鮮やかに仕上げないなんて、もったいない!

そこで今回!

宝石のような輝きを放つ!?

冬瓜の色出しや色止め!

皮の剥き方や茹で方、下処理/下ごしらえなど、まとめて解説していこうと思います。

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冬瓜/下処理/下ごしらえ

冬瓜/包丁などで皮を削ぐ方法/皮の剥き方

1 冬瓜を洗い、水気を取る。

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※今回、二通りの剥き方を解説するため、最初に冬瓜を縦半分に切っています。

通常、皮を削ぐように冬瓜の皮を剥く場合、切ってから皮を剥くとかえって手間がかかってしまう。

切らずにそのままの状態で、先に皮を削ぐ。

コツ!ポイント!

※冬瓜の大きさや、包丁の大きさなど、人それぞれ状況が異なり、

一概に言えませんが、一般的に冬瓜を四つ割りにする場合、横半分に切り、半分に切った冬瓜を立てるように置き、縦半分に切る。

最初にどう切らなければ、ならないという決まりはないので、好みの切り方(割り方)をお試しください。

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2 包丁の刃元または、包丁の背(背の角が丸くなっていない包丁)、金属製のヘラなどを冬瓜に当て、皮を擦るように剥いていく。

削いで皮を剥く方法の【メリット/デメリット】

メリット

力加減など、多少の慣れは必要になるが、比較的簡単に手早く皮を剥くことが出来る。

デメリット

包丁で剥いたときのような、表面が平らでツルッとしたような、仕上がりにはならない。

個人的感想

初めて冬瓜の皮を剥く方など、包丁で剥く場合、思っていたよりも、硬く感じる方が、多いかと思う。

力を入れて剥こうとして、怪我をしてしまう恐れもある。

そのような場合、解説のような削ぐ剥き方やピーラーなどで、皮を剥く方法が良いと考える。

料理の仕事を長く、している方もこの方法で皮を剥く方もいるので、

一概には言えないが、

個人的には、仕上がりなどを考慮すると、手間は多少かかるが、包丁で一回で皮を剥ける程度の大きさ(幅)に切ってから、

一回で一気に皮を剥き、表面がツルッと平らな、仕上がりにする剥き方を好む。

※方法を一つでも多く知ることで、状況に合わせた選択肢が増え、損はないと考えているため、解説させて頂きました。

好みの方法をお試しください。

コツ!ポイント!

※多少の慣れが必要ですが(力加減など)、この剥き方をすることで、冬瓜の色を残して、皮を手早く簡単に剥くことが出来る。

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※一度、さっと洗った様子。

まだ少し残っているようなら、同様の手順で皮を剥く。

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※剥き終わった様子。

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コツ!ポイント!

※一見、皮が剥けたように見えると思うが、

個人的に包丁で、皮を剥いて表面がツルっとした、仕上がりを好むため、

表面の濃い緑色の部分を削ぎ落としただけで、皮は残しています。

皮が剥けている。剥けていない。の違いについては、

下記、冬瓜/皮が残っている/皮が残っていない/違いをご覧ください。

冬瓜/包丁で皮を剥く方法/剥き方

1 皮を削ぐ剥き方は、表面がザラザラとしたような感じの、仕上がりになってしまう。

ツルっとした表面の仕上がりを求める場合、包丁で皮を剥く。

先に切り分けて、緑色の部分を残すように、包丁で硬い皮部分のみを剥く。

コツ!ポイント!

※どこまで剥けば良いかの目安として、緑色の筋が見える(残すように)ように、硬い皮のみを剥く。

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※色を残して皮を剥く場合、大きなままだと数回に分けて剥く必要がある。

数回に分けて剥くことが、悪いということではないが、表面がデコボコとした、仕上がりになってしまう。

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※表面をツルッとした仕上がりに、剥く場合、一回で剥ける大きさ(幅)に切る。

コツ!ポイント!

※先に盛り付け時の大きさに合わせて、切ってしまうと煮崩れするなどと言う方もいるが、ゆで方や処理がしっかりとしていれば、切ったから煮崩れするというようなことは、ないと考える。

現に、下処理後に料理した冬瓜も一切、煮崩れしていない。

※下処理/下ごしらえを済ませた冬瓜を使って、準備が整い次第になってしまいますが、いくつか解説記事を予定しています。

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※一回で一気に剥くことで、表面が平らで、ツルッとした仕上がりに剥くことが出来る。

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冬瓜/四つ割り/八つ割り

1 冬瓜を横に向け、半分に切る。

※通常、この時点で、二つ割りの状態。

※今回、先に縦半分に切っていますが、通常冬瓜を四つ割りにする場合、まずは横半分に切る。

コツ!ポイント!

※最初に縦半分に切ってもよいが、切り口が長くなり、綺麗に半分に切ろうとしても、ズレてしまったり、慣れるまでは切りずらい。

先に横半分に切ることで、縦の長さを短くすることが出来る。

縦の長さを短くすることで、切り口がズレずに真っ直ぐ切りやすくすることが出来る。

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2 横半分に切った冬瓜を立てるように置き、半分に切る。

※通常、この時点で四つ割りの状態。

横半分に切った状態の冬瓜を半分に切る場合、立てることで、安定して切りやすくなる。

3 四つ割にした冬瓜を半分に切る。

※この時点で八つ割りになる。

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冬瓜/種/ワタ/取り方

 

 

1 八つ割りにした冬瓜のワタ部分に(種の入った柔らかい部分)、Vの字に切り込みを入れる。

ワタと種を切り外す。

※大きさにより一概には言えないが、解説では、八つ割にして冬瓜の種とワタを取り除いている。

コツ!ポイント!

※柔らかいワタ部分をしっかりと取り除く。

この部分は柔らかく残っていると、茹で終えたときに崩れてしまい、見栄えの悪い仕上がりになってしまう。

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※左右に斜めの切り込みを入れる。

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※Vの字に切り込みを入れた様子。

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冬瓜/切り方/隠し包丁/面取り

1 八つ割りにして、種とワタを切り外した冬瓜を縦半分に切る。

コツ!ポイント!

※大きさなど様々で一概には言えないが、今回は八つ割にして、V字に入れた切り目に合わせて、縦半分に切っている。

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※まず、画像で確認してほしいのだが、

削ぐように皮を剥いたつもりでも、表面の濃い緑色の部分が剥けただけで、冬瓜の皮側、表面の白っぽい部分。

硬い皮が残っている。

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※透明感のない皮のみを薄く剥く。

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冬瓜/皮が残っている/皮が残っていない/見分け方

画像上は皮が残っている状態。

皮が残っていると、緑色の筋のような、部分が見えず透明感がない。

皮が剥けていると、緑色の筋のような部分が見え、透明感がある。


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※画像左、1回で皮を剥いた冬瓜/画像右、数回に分けて皮を剥いた冬瓜

どちらが正しいという訳ではないので、好みに合わせてお試しください。

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2 切った冬瓜の角を取る(面取り)。

コツ!ポイント!

※画像左、面取り前の角のある冬瓜/画像右、面取り後の冬瓜

角を包丁で取ることで、煮崩れしずらくなる。

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3 緑色の部分を残すように、皮を剥くことで、色鮮やかに仕上げることが出来る他に、形が崩れにくくなる。

ただし、緑色の部分は白い部分と比べると硬く、味が入りずらい。

緑色の部分のみに切り目を入れるように、鹿の子(格子状)に浅く切り目を入れる。

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※画像では確認しずらいが、冬瓜の緑色の部分に格子状の切り目が入っている。

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冬瓜/色出し/色止め

 

 

1 塩と重曹(タンサン)を1対1の割合で混ぜ合わせる。

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2 塩と重曹を合わせた、重曹塩を乗せる。

コツ!ポイント!

※重曹には色出し以外にも、柔らかくする効果がある。

冬瓜の白い部分に重曹がついてしまうと、茹で終えたとき、白い部分が柔らかくなりすぎて、煮崩れしてしまう恐れがあるため、

白い部分には、重曹塩がつかないように、注意すること。

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3 緑色の部分に重曹塩を優しくすりこむ。

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4 重曹塩を冬瓜の緑色の部分にすりこんだら、バットなどに、並べ置き、10分程度置く。

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※先ほど格子の切り目が確認しずらかったが、このように緑色の部分に浅く、格子状の切り目が入っている。

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※バット下、片側にタオルなどを敷き、軽く角度をつけると、重曹塩をして冬瓜から出た、水気を流すことが出来る。

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5 冬瓜についた重曹塩を洗い落とす。

コツ!ポイント!

※重曹塩をつけたまま茹でると、冬瓜が柔らかくなり煮崩れしてしまう。

しっかりと洗い落とすこと。

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冬瓜/茹で方/冷まし方

6 鍋に水を入れ火にかけて湯を沸かす。

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7 沸いた湯に冬瓜の緑色の部分を下に向けて入れ、茹でる。

茹で時間/目安

8分~10分程度

※大きさや状態など異なるため、茹で時間は前後する。参考程度にすること。

6分程度茹でたら、竹串などを刺し確認するなどして、調整する。

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8 グラグラ、グツグツとした湯で茹でると冬瓜が煮崩れしてしまう。

冬瓜が湯の中で、踊らない程度に火力を調整して茹でる。

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9 アクが浮いてきたら、丁寧にすくい取る。

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10 6分程度したら竹串などを刺し、確認する。

スッと串が刺されば茹であがり。

まだ硬いようなら、茹で時間を延ばすなど調整する。

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11 茹でた冬瓜を湯から取り出し、氷水に入れ一気に冷まし、色止めする。

しっかりと冬瓜を冷ます。

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12 冬瓜をしっかりと冷ましたら、ザルなどに上げて水気を切る。

しっかりと水気を拭き取り、料理に使う。

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くぅ~!

色鮮やかに仕上げた冬瓜は、宝石と見間違える!?

この機会に是非、お試しください。

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それでは皆様お付き合いありがとうございました!

また、宜しくお願いいたしますぅ。