【板前レシピ】鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/作り方

かぶと煮が旨い!旨すぎる!様々な魚に応用できる!【かぶと煮/あら炊き(あら煮)/煮付け/レシピ】についてまとめて徹底解説!

あの店の鯛のかぶと煮。旨かったなぁ。

家で作ったけど、煮汁がしゃばしゃばで、

照りがないんだよなぁ。

照りはなんとかついたけど、身がボロボロとした食感で、硬くなる。

家で作るのは難しい。

なんて方がいるとかいないとか。

ちょっと待った!

いえいえ。そんなことありません。

ちょっとしたコツやポイントを覚えてしまえば、

ご家庭でも気軽に本格的な、艶やかな照り!

ふわふわ食感のかぶと煮/あら炊き(あら煮)をお楽しみ頂けます!

そこで今回!

金目鯛、鰤、ハタなど様々な魚に応用できる!

魚の頭(兜)の下処理/下ごしらえ、

煮方/炊き方など、鯛の頭(兜)を使って、まとめて解説していこうと思います。

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/作り方

鯛(頭)/天然/養殖/見分け方/違い

天然物と養殖物の鯛の見分け方として、

全体の形や尾びれの形、腹を開いたときの脂や身、味(臭い)などの違いで、見分けることができる。

今回のように頭のみでも、100%見分けられるかと聞かれたら、何とも言えないが(万が一のことを想定)、

見分けることは可能で、天然物はシャープな顔立ちをしているが、天然と比べ養殖物は丸みを帯びふっくらとした顔立ちをしている。

また、基本的に天然物の鯛は鼻の穴(鼻腔)が、左右に2つずつ(計4つ)穴がある。

必ずではないが、養殖物の鯛は鼻の穴(鼻腔)が、繋がり左右一つずつ(計2つ)になっていることが多い。

下画像/鯛の頭/天然/養殖/参考画像

左/天然鯛の頭、右/養殖鯛の頭

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※天然物の鯛

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※養殖物の鯛

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※目の左辺りにある穴が鼻腔、基本的に左右2つずつ(計4つ)穴があるが、養殖物の鯛はこの穴が繋がったような状態になり、一つになっているものを多く見かける。

知らない方も多く、ちょっとしたときに役立つことがあるかと思います。

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鯛(頭)/下処理/下ごしらえ

 

 

※鯛/さばき方/おろし方、などについて詳しくは、こちらをご覧ください。

鯛/さばき方

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1 頭の部分や、ほほの部分にウロコが多くついている。

イメージとしては、包丁の刃元を使い大まかな部分のウロコを取り、刃先で細かな部分のウロコを取り除く。

※ウロコを掻く(取り除く)場合、尾側から頭側に向かって包丁を動かす。

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※ウロコを取り終えた様子。

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※今回、鯛をさばく際に、エラを取り終えた頭を使用している。

血合が残っているようなら、しっかりと取り除く。

エラやヒレの処理などについて詳しくは、鯛のさばき方をご覧ください。

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※手で取ることができるが、細かな部分など取り除きにくいようなら、歯ブラシなどを使うと血合を落としやすい。

処理を終えたら、しっかりと水気を取り除く。

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鯛(頭)/割り方

2 画像のように、頭を立てるように置く。

包丁を入れる箇所の目安としては、上顎(うわあご)の前歯の間(真ん中)。

※真っ二つに切るイメージ。

コツ!ポイント!

※真ん中に包丁を入れ、頭を切るのは真っ二つにするという意味だけでなく、

イメージとしては、中骨の軟骨部分に合わせて切ると、簡単に切れるのと同様で、位置がズレると硬く切りズラい。刃こぼれしてしまう恐れがある。

しっかりと真ん中に合わせて切ること。

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※片手で、グッと頭を掴み固定する。

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※イメージとしては、刃先で割るのではなく、刃元で割る感覚。

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※頭を開いた様子。

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※繋がった部分を切り、2つにする。

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3 頭を切ると、目の横付近の部分にドロドロとしたような部分(脳)がある。

脳をしっかりと取り除く。

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※脳を取り除くと、画像のように穴が空いたような状態になる。

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※ここまでの下処理/下ごしらえを済ませた頭の様子。

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鯛(頭)/湯通し/霜振り

 

 

4 鍋に水を入れ、火にかけ湯を沸かす。

頭を入れ表面が白っぽくなる程度に、サッと湯通し(霜ふり)する。

コツ!ポイント!

※サッと湯通しすることで、臭みやアクを落とすことができる。

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5 冷水(氷水)を入れたボールなどに、サッと湯通しした頭を入れ、しっかりと冷ます。

コツ!ポイント!

※サッと湯通しした頭を冷水を使い冷ますことで、ウロコが立つ。

こうすることで、残っていた細かな部分のウロコや血合などを簡単に取り除けるようになる。

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6 ウロコや血合が残っていないか確認し、残っていたら、しっかりと取り除く。

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※湯通し(霜ふり)を終え、処理を済ませた頭の水気を切っている様子。

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/焦げつきを防ぐ方法

 

 

1 鍋に酒、昆布一枚入れる。

コツ!ポイント!

※昆布は必ずしも使う必要はない。

今まで、かぶと煮を作ろうとして、焦げついてしまい、盛り付けるときボロボロになってしまう。

どうすれば焦げつかずに済むんだろう。

などの悩みがある方、初めての方でも比較的、作りやすい方法として使用しています。

慣れれば昆布を使用しなくても、問題なく煮付けることができるが、昆布を使うことで、盛り付けの見栄えにも違いがでる。

好みに合わせてお試しください。

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/味つけ/目安

酒2、濃口醤油1、ミリン1、砂糖適量(好みに合わせた量)

※実際、かなり複数の割りや作り方がある。

水、濃口醤油、ミリン、砂糖を合わせるパターンや、たまり醤油を使う場合など様々。

初めての方でも、覚えやすく作りやすいと考える割合で解説しています。

コツ!ポイント!

※先に全てを合わせ入れ、仕上げてもよいが、調味料には味つけ以外にも、様々な効果/効能がある。

解説では、一度に味つけをせず段階を踏んだ方法で解説していきます。

調味料の効果/効能などについて、詳しくはこちらをご覧ください。

煮付け/魚の煮つけ方

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/煮方/炊き方

 

 

2 昆布の上に、鯛を乗せ火にかける。

コツ!ポイント!

※煮付ける場合、煮汁の量は少量(ヒタヒタ程度量)で、火力は高めにし短時間で一気に仕上げる。

理由として、時間をかけて炊くと身から旨みが抜け、ふわふわとした食感にならず、硬くボロボロとしたような食感になってしまう。

煮付けは、味を含ませるというよりは、仕上がりの際、ほぼ煮汁がないような状態まで詰め(とろみをつけ)、煮汁を絡めて食べるように仕上げる。

そうすることで、身に味が含んでいなくても、煮汁にとろみと、しっかりとした味がついているため、

旨みがしっかりと残った、ふわふわとした身を美味しく味わうことができる。

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3 砂糖を入れ、落とし蓋をする。

コツ!ポイント!

※煮付けがなぜ、少量の煮汁でしっかりと炊けるかについてだが、落とし蓋をすることで、煮汁を対流させることができる。

イメージとしては、泡を上手く利用して全体を炊く感覚。

落とし蓋として、軽いクッキングシートやアルミホイルを使うと、煮汁が詰まり泡が残るようになってくると、浮きあがってくる。

そうすることで、どれだけ煮汁が詰まってきたかなどの、目安にもなる。

※どれだけの砂糖を使うかについては、完全に好みになる。

ただし、このあと煮詰めることと、ミリンを入れることを考慮して、控えめに入れる。

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4 濃口醤油を数回に分けて、入れていく。

この時点で、砂糖(甘味)のバランスを整える。

コツ!ポイント!

※煮汁の割合に関しては、目安なだけで人それぞれ異なる。

数回に分けて味つけすることで、好みや体調に合わせた味に調整することができる。

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※数回に分けて、濃口醤油を入れている様子。

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5 ある程度炊き、煮汁が詰まってきたらミリンを入れる。

コツ!ポイント!

※ミリンに関しては、味つけというよりも、照りをつける感覚。

ミリンを使うことで、照りがつき煮汁にとろみもつく。

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※ミリンを入れた様子。

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6 ミリンを入れ煮汁が詰まり、落とし蓋がかなり浮きあがってくる。

煮汁が詰まり、とろみがついてきたら落とし蓋を取り、オタマで煮汁をかけながら仕上げていく。

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/鍋肌の焦げつき/防ぎ方

 

 

※煮汁を詰め、泡を使い炊いていくと、鍋肌に煮汁がついたような状態になる。

気にならない方はよいかもしれないが、このまま仕上げていくと、鍋肌についた煮汁が焦げ、煮汁に焦げ臭さや苦味が入ってしまう恐れがある。

布巾などを湿らせて絞り、鍋肌についた煮汁を拭き取ることで、防ぐことができる。

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※煮汁をかけながら、仕上げている様子。

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※味を確認しながら、煮汁がほぼない状態まで詰め仕上げたら、生姜の絞り汁をまわし入れ火を止める。

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鯛/かぶと煮/あら炊き/煮付け/盛り付け/食べ方

1 器に好みで昆布を敷く。

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2 昆布の上に鯛のかぶと煮を盛り付け、煮汁をかける。

コツ!ポイント!

※食べ方としては、とろみのついた煮汁に身を絡めるようにして食べる。

今回煮付けを解説しているので、使用していないが、絹鞘(きぬさや)などの青みや、柚子などを使っても美味しくお召し上がり頂けます。

好みに合わせて、色々とお試しください。

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どうでしょうか?

照りっ照り!

ふわふわ食感の鯛のかぶと煮!

コツやポイントを覚えてしまえば、

様々な魚に応用できる!

激旨!で、ございます!

この機会に是非お試しください。

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それでは皆様、お付き合いありがとうございました!

また、宜しくお願い致しますぅ。